飼い犬にかまれ続けて

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「アブソリュート・デュオ 告白は蒼刻の夜に」感想

アブソリュート・デュオ 告白は蒼刻の夜に (MF文庫J)

アブソリュート・デュオ 告白は蒼刻の夜に (MF文庫J)

〈あらすじ〉
《焔牙》――それは超化された精神力によって、自らの魂を具現化させて創り出す武器。
俺・九重透流は、千人に一人と言われるその能力を持っていたため、《焔牙》を用いた戦闘技術を教える学校である昊陵学園に入学することになった。
けれどなぜか、俺の《焔牙》は武器の形ではなく、防具――《楯》の形をとってしまう。
学校では異能扱いされて注目を浴びる中、《絆双刃》と呼ばれる学園のパートナー制度のせいで、銀髪の美少女・ユリエと四六時中同じ部屋で一緒に過ごすことになってしまい……!?
パートナーとの絆で未来を掴み取る、学園バトルアクション開幕!
魂を灼き尽くしたその果てに待つものは……。
『願わくば、汝がいつか《絶対双刃》へ至らんことを』

千人に一人の割合で魂を具現化させて『焔牙』という武器にすることのできる者達が通う昊陵学園を舞台にした学園バトルアクション。
必ず『焔牙』は武器の形になるはずなのだが、主人公・九重透流の『焔牙』だけは何故か楯…防具の形に。『焔牙』以外にも並外れた武術も体得している透流は、唐突に宣言された『入学試験』を見事に突破する。しかし昊陵学園の規則に従い、二人一組の『絆双刃』〈パートナー〉を組まなくてはならないことから、透流は期間限定の仮パートナーとして銀髪の美少女ユリエと一緒に暮らすことになる。学園唯一の男女パートナー。これで問題が起きない訳がない。パートナーとの親密度を上げるため、同居生活を開始した透流とユリエ。無口な上に表情をあまり変えないユリエはまるで人形のようではあるが、その戦闘力はクラス随一。しかし私生活は無防備なところがあり、理性的に生きようと努める透流の男心を刺激する。そんな同居生活を通して透流はユリエの僅かな表情の変化に気付き、少しずつであるが彼女のことを理解し始める。巴とみやび、性格が真逆な美少女コンビ、そして口は悪いが根は良い奴であるトラといった面々と打ち解け合い、ライバルとして切磋琢磨する日々。
期間限定だったパートナーが正式なものになるのは当然の成り行き。ユリエという最高の相棒を受け入れた透流だったが、別のことで悩む。それはユリエが懐きだしたこと。小猫が親猫に懐いているのかと思うほど透流にべったりなユリエは実に可愛らしい。この作品はユリエが本性を現した瞬間からが本番なのか、と思うほどに。
そんな透流とユリエにパートナーとして最初の試練…命を賭けた戦いに巻き込まれる。予想もしなかった強敵に、しかし二人は互いを想い合う絆で対抗する。
昊陵学園の暗部を覗き見ることとなった二人は、何とか生き延びた。そう、二人は生きなければならない目的がある。
復讐者。透流とユリエは復讐をするために力を望んでいる。その歪んだ願望は二人が真のパートナーとなる障害となるのか、あるいは力となるのか。
心の傷を晒したユリエに、透流はどう向き合い復讐に向かっていくのか、続きが楽しみだ。