飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉5」感想

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉5 (MF文庫J)

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉5 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
ムオジネル軍との戦いから十日。“銀の流星軍”はぺルシュ城砦に駐屯し、きたる決戦の準備を進めていた。
一方、五頭の竜を従えたテナルディエ軍は北上し、ガヌロンの本拠地アルテシウムへ向かう。三つ巴の戦いが勃発しようとするそのとき、ジスタート王宮にもひとつの出会いがあった。
「ヴァレンティナ……」「おひさしぶりですね、ソフィーヤ」
巨大な鎌の竜具“虚影エザンディス”を持ち、儚げに微笑む戦姫、ヴァレンティナ。ソフィーも警戒する彼女の目的とは……?
そして遂に切り開かれる戦端のなか、ティグルは大切なものを失い、なお前に進むことを求められる。
そのとき、背中に吹くのは力強き銀色の風――。
最強戦姫ファンタジー、第1部堂々完結!

宿敵・テナルディエとの最終決戦はまさに死闘の連続。
テナルディエの振りかざす死の鎌を、二人の戦姫、そして大切な仲間たちの力を得てを跳ね返していく。ティグルだけでは決してくぐり抜けられない死線を、仲間とともに勝ち進む。
戦いの中で失われる近しい人の命がティグルに重くのし掛かるが、エレンの支えあって、乗り越えることができた。故郷を蹂躙しようとしたテナルディエとの直接対決を前にしても激情に駆られず、敵を己の手で倒すために立ち向かい、討ち取れたのは幸運などではなく、ティグルがこれまで積み上げてきたことの結果に過ぎない。
第一部完結を飾るに相応しい終わり方をみせた。物語はまだ終わっていない。薄気味悪いガヌロンと彼を受け入れたヴァレンティナの存在は何とも言えない不安感を煽る。また『竜具』や『弓』など超常的な力を放つ武具の謎も残されている。
ジスタート…ライトメリッツでの新しい生活を送るティグルは、エレンの命令によって他国アスヴァールに向かうことになるようだ。国内の戦乱が落ち着き、今度は国外の戦いに巻き込まれる。ティグルの受難はまだまだ続く。