飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ハンドレッド-ヴァリアント覚醒-」感想

ハンドレッド-ヴァリアント覚醒- (GA文庫)

ハンドレッド-ヴァリアント覚醒- (GA文庫)

〈あらすじ〉
《ハンドレッド》――それは地球を襲う謎の生命体《サベージ》に対抗できる唯一の武器。
主人公如月ハヤトは、そのハンドレッドを用いる《武芸者》を目指すため、海上学園都市艦《リトルガーデン》に入学を果たす。だが――
「会いたかったよ、ハヤトっ!!」
「お、お前は一体……?」
なぜか自分のことをよく知る(?)ルームメイト、エミール・クロスフォードに、どこか懐かしい違和感を覚えるハヤト。
さらに入学早々、学園最強の武芸者《女王》クレア・ハーヴェイから決闘を申し込まれてしまい……!?
箕崎准(ocelot)×大熊猫介(ニトロプラス)がタッグを組んだ、《究極》の学園バトルアクション、ここに開幕!

「お約束」を外さずに話を展開してくれたので安心して読めました。『百武装〈ハンドレッド〉』と呼ばれる特殊武装を身に纏い、謎の敵と戦う!…のもありつつ、可愛い女の子とラブコメしてくれる。

人類を襲う謎の敵『サベージ』に対抗するために生み出された兵器『ハンドレッド』。その『ハンドレッド』の使い手『武芸者』を育成する『リトルガーデン』に入学した如月ハヤトは、『ハンドレッド』を扱う適正値が圧倒的に高いことから既に有名人になっていた。そのハヤトと寮でルームメイトとなったのは、ハヤトに次ぐ適正値を叩き出したエミールだった。女の子にしか見えない美少年エミールが、いきなり親愛の情を込めて抱きついてきたのだからハヤトは困惑。しかも入学式早々、このエミールが生徒会長クレアに意見したことで、仲裁に入ったハヤトがこの問題を不問にするためクレアと『ハンドレッド』を使って決闘することになる。

美少年エミール。ハヤトに異常なまでの親愛を向ける彼は、ネタバレするまでもなく…女の子です、はい。表紙イラスト見れば一発で分かることでした。なので女の子大好きな読者は安心してください。

記憶喪失のため、夢で見る出来事が現実にあったことなのかどうなのか。それが判断出来ずにいたハヤトの前に、夢の中に登場する少女そっくりのエミールが現れる。とはいっても性別は男…ふとしたエミールの所作にドキドキしてしまうハヤトは実に「男の子」していると思う。結果的にエミールは女の子だったのだから、ハヤトのセンサーはしっかり反応していたことになる。

真っ直ぐな性格をしているエミールに惹かれるハヤト。しかしこの性格が災いして、気位の高いお嬢様生徒会長クレアの怒りを買う。その怒りを収めるため、ハヤトはクレアと『ハンドレッド』を駆使して戦うことになるのだが…ハヤトの秘められた能力、そんなハヤトに惚れ込むクレアの「チョロさ」など展開が非常に分かりやすい。クレアがハヤトに対して積極的になったことで、エミールが嫉妬する場面も出てきて、美味しいシーンが増える増える。

ハヤトとエミールの関係。エミールのカミングアウトと語られる過去。そして二人の身体の秘密。より親密になった「初恋の相手同士」は、今後『サベージ』に、そして暗躍する『何か』に対してどう抗っていくのか。熱い展開を期待したい。