飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「異端児たちの放課後」感想

異端児たちの放課後 (電撃文庫)

異端児たちの放課後 (電撃文庫)

〈あらすじ〉
人間社会にまぎれて生きる〈魔物〉の少年・ヒナタは、〈魔を狩るもの〉と名乗る転校生の少女・ホノカと出会い、問答無用で殺されかける。
しかし間一髪、黒髪のエルフに助けられ、〈新宿地下空港〉という謎の巨大施設に連れてこられる。
そこでヒナタは、パラレルワールドの存在を知り、自分が何者であるかのヒントを──。
ヒュドラー、人造人間、魔法使い、エルフ──新宿の地底で暮らす異界難民たちを描く、異色の学園ファンタジー登場!!

文章が堅いというか、固有の言葉や説明が多いからテンポが良くないんだよね。もっと軽い語り口で地の文を描けば良くなると思うんだけど。

これは「ひとりぼっち」の二人…人間に擬態したヒュドラーの少年と、魔物を狩る者と名乗る魔法少女の物語。非日常の化物であるヒナタは、ホノカに殺されかけたことから日常に終わりを告げる。

新宿の地下には異世界の住人がいる。
死にかけながら、巨大な地下施設にある『異邦人学園』に招かれたヒナタ。そこでルームメイトとしてホノカと再会する。
相本来ならば入れないはずの二人が、生活を共にすることによってその距離が近づいていく。物語前半、殺伐とした「匂い」を発していたホノカがヒナタの存在を受けいれるようになり、次第にヒナタは安らぎを感じるようになる。またギスギスとした人間社会と違い、御伽噺に登場するようなファンタジーの住人が跋扈する学園はこれまで異物だった二人にとって良い環境になったのではないか。

敵対するはずの二人の仲が深まる…ということはクライマックスには新たな敵が用意される。そしてその敵に対して、ヒナタとホノカの二人で立ち向かう。王道の展開…なのだが、やっぱり設定を見せようとしすぎてテンポが悪いんだよなあ。全体的にテンポの悪さで損をしている。ヒナタとホノカはもっとラブコメして良いと思います。