飼い犬にかまれ続けて

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「ヴァルキリーワークス」感想

ヴァルキリーワークス (GA文庫)

〈あらすじ〉
理樹が出会ったのは一人の戦乙女(ヴァルキリー)だった。
神界より「神威の回収」のためやってきた彼女は、一生懸命だがどうにも不器用で……。
『這いよれ! ニャル子さん』の著者が新たに紡ぐ、残念系駄目ヴァルキリー――駄ルキリーと少年の、出会いと戦いの物語。
「それじゃ――キス、しましょうか」
「いきなりですか!?」
驚愕に目を見開くフェルスズ。
「フェル子さん一人であのでかいのに勝てます?」「それは、その……か、勝てますとも! 」
「本当に?」「……多分」
「本当に?」「……」
理樹が迷い込んだのは色彩を失った世界。 そこに一人、色を纏う少女の存在があった。
彼女の名はフェルスズ――「戦乙女」なのだという。
彼女との出会いで、理樹の平穏な日常は崩壊し、知られざるこの世の真実に触れることとなる。
「舌入れていいですか?」
「駄目ですっ! 」
――そして。
はじめての、がったい。
駄ルキリーと少年が織り成すアクション×ラブコメディが開幕!

『這いよれ! ニャル子さん』の逢空万太が描く、もうひとりの銀髪美少女と少年の物語。ええ、もちろんヒロインは人外です…何が「もちろん」なのか言ってる僕も良く分かってません。
『ニャル子さん』同様、キャラクター同士の掛け合いが軽快で、とにかく飽きさせない…どころか、怒涛の掛け合いにニヤニヤ笑顔が止まりませんことよ。また設定周りにも難しいものがなく、余計なことに気を回さずに物語に没入できる手軽さは流石。楽しんで物語を読める最高の時間をありがとう!…あ、初っ端から褒めすぎたわー。

戦乙女。
この言葉を聞いてまず僕がイメージするのは「凛とした姿勢の戦う女天使」だ。しかしこの作品は面白いほど、そのイメージを良い意味で裏切ってくれる。

突如出現した怪物に襲われ、命の危機に瀕した主人公・理樹を救ったのは空から舞い降りた戦乙女フェルスズ…なのだが、そこまでは良かったものの、直様ボロが出て役立たずっぷりを披露。理樹に戦乙女ヴァルキリーならぬ『駄ルキリー』呼ばわりされるフェルスズことフェル子さん。
こうして出会った二人。フェル子さんに一目惚れ(?)した理樹は、彼女の目的を手伝うことになる。フェル子さんの目的、それは神界の不注意から人間界にばら撒かれた『神威』と呼ばれる力を封印して回収すること。しかしこの戦乙女による『神威』回収にはフェル子さんも知らない『戦乙女選定儀〈ヴァルキリーワークス〉』という別の目的も潜んでいた。

まず第一印象として言いたいのが、主人公の性格がある意味サイテーだということ。飄々とした感じの草食系に見えて、中身は肉食系ならぬ肉欲系。言動は全て性欲に結び付いているのだが、嫌らしさを感じさせないところが何か悔しい。そこにドSな性格も混ざり込み、その標的になるのがフェル子さんと言う訳です。
理樹とフェル子さんが出会い、互いの属性が読者にしっかり認知されてからがこの物語のスタート。
真面目で純粋だけどアホでマヌケ、でも堪らなく愛おしくなる戦乙女のフェル子さんは、打てば響く、呼吸をするように自然と吐き出される理樹のセクハラにいちいちこれでもかと動揺して、この反応が面白くて楽しい。理樹の発言なんか適当に流せよ、なんて器用な真似をフェル子さんが出来ると思ってかー!うん、誰も思ってないね。

天性も才能なのか。あの手この手でフェル子さんを弄り倒す理樹の技に拍手喝采を送りたい。そのくらい理樹の言動は、フェル子さんの可愛いさを引き立てている。プラスして、手助けする都合上、理樹と同居することになり、そうなれば登場するのがママ。真尋ママもアレだけど、理樹ママも素晴らしいお母様ですな!流石は理樹の母親、フェル子さんどう弄ればいいか分かってらっしゃる(物理的に)
理樹と理樹ママの手によって、一晩でフェル子さんという存在が解明される様はほんと神業である。

さて口では嫌がりながらも何だかんだで理樹とは離れられないフェル子さんとの使命パート…アクション要素の方では、万太パワーというか、コミカル差を取り入れながらも心を滾らせる熱さを忘れていない。ここでも普段の掛け合いが生きていて、フェル子さんひとりでは半人前だけど、理樹の力も加えれば一人前になれる…つまり合体!いや、下ネタではないよ?(真顔)
混ざり合った二人の心と身体が敵を撃つ。その際もしっかり理樹が主導権握っているのが良いねえ。理樹が心底楽しんでいるのが伝わってきてわくわくする。

タイトルにもなっている『ヴァルキリーワークス』については、フェル子にしても今回のロスヴァイセを見ていると、ロクな戦乙女出てこねえぞ!となる予感がひしひしと(笑)戦乙女イメージクラッシャーやな。これからどんな戦乙女が出てくるのか。そして理樹は今度どうフェル子さんをからかって遊ぶのか。次まで寝て待つぞ!(仕事しろ)