飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「この中に1人、妹がいる! 9」感想

この中に1人、妹がいる! 9 (MF文庫J)

この中に1人、妹がいる! 9 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
将悟は父の遺言に従って政財界のお嬢様たちが多く通うこの学園に編入した。
「在学中に伴侶となる女性を見つけること」つまり彼女を作ることが遺言だったのだ。
ところが将悟には顔も知らない生き別れの妹がいることが判明する――。
そしてはじまった将悟を取り巻く妹騒動の日々!
鶴眞心乃枝、神凪雅、国立凜香、嵯峨良芽依、天導愛菜。妹疑惑を振りまいた彼女達の中から、将悟の本当の「妹」は現れるのか!? 魅惑の変則ラブコメ、ついに完全決着!!
……「この人が、妹です!」

物語が始まった頃は同じパターンの繰り返しでもう読むの辞めようと思っていいたけど…終わってみれば綺麗な形で落ち着いた。
ほんと最後まで読んで良かった。面白かった!

将悟と心乃枝の間に立ちはだかる致命的な障害。
兄妹であること。その事実が二人を引き裂こうとして、恋を諦めようとする。
でも諦めきれない。二人の心は一向に離れようとはしない。どうしようもない苦しさの中で藻掻く二人を、支えてくれたのは雅であり、これまで一緒に時を過ごしてきた仲間たちだった。それでも藻掻けば藻掻くほど助けてくれる仲間たちが傷ついて行くところを目にして、更に苦しみを深める二人。

苦しみが苦しみを呼んでいた。それは将悟と心乃枝にも引き継がれてしまったことで、本当は誰もが幸せになりたかったんだ。
一筋の光から徐々に苦しみから抜け出す明るい出口が見えてくる。
幸せを掴んだ二人が見たのは、もう一組の幸せの形だった。なるほど、このまま『妹』にまつわるオチは置き去りにされてしまうのかと思ったが、ちゃんと『妹』を見つけたね。ただ伏線は張ってあったのは分かっていたけど、正直これは狡いと思います(笑)

ラブコメにバッドエンドは似合わない。僕等が求めているのは心地良いハッピーエンドだ。
このひとつの物語を温かい気持ちで読み終えられて幸せです。