飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」感想

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫)


〈あらすじ〉

迷宮都市オラリオ──『ダンジョン』と通称される壮大な地下迷宮を保有する巨大都市。
未知という名の興奮、輝かしい栄誉、そして可愛い女の子とのロマンス。
人の夢と欲望全てが息を潜めるこの場所で、少年は一人の小さな「神様」に出会った。
「よし、ベル君、付いてくるんだ! 【ファミリア】入団の儀式をやるぞ!」
「はいっ! 僕は強くなります!」
どの【ファミリア】にも門前払いだった冒険者志望の少年と、構成員ゼロの神様が果たした運命の出会い。
大森藤ノ×ヤスダスズヒトのコンビが贈る、GA文庫大賞初の《大賞》受賞作、ここに開幕!!

ついに噂の「ダンまち」を読みましたよ読んじゃいましたよ!、と何故か興奮しながら報告。うん、面白かった!
WEB小説が苦手な僕にはこうして話題の作品が本になってくれるのは喜ばしいこと。まあ何でWEB小説苦手なのかについての細かい話はたまにツイッターの方でしてます。
『第4回GA文庫大賞』の初の大賞作品、という煽り文句を背負っているのだけど、正直なところ規定諸々の話はあるがゼロから創った作品で受賞して欲しかったなあ。

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?」
そんな不順な動機で冒険者となったベル。迷宮都市オラリアの地下に広がる唯一のダンジョンに出会いを求めて…素敵な女性と出会えれば、というベルの願いは叶うことになる。が、その状況は最悪。自分では絶対に倒せないモンスターに襲われ窮地に陥っていたベルを一閃のもと救ったのは、名高い冒険者の美女剣士アイズだった。
アイズに一目惚れしたベルであったが、貧乏『ヘスティア・ファミリア』たったひとりの冒険者に過ぎない自分が相手にされる訳もなく…ロリ巨乳の神様にして『ファミリア』に誘ってくれた恩人であるヘスティアのためもあり、ベルはダンジョンに潜り続ける。アイズへの想いを大きなモノとしながら…。

新人冒険者のベルが美女剣士アイズと出会ったことから、この物語は明ける。しかし開始時店でベルには『ファミリア』…家族とも言い換えられる大切な仲間、ヘスティアがいるのだから、いやいやおまえ他の女に惚れている場合ではないだろと思わず突っ込んでしまう。しかもこのヘスティア。ベルに惚れ込んでいることもあり、ベルがアイズを想えば想うほど嫉妬のせいでどんどん不機嫌に。鈍感なベルくんがそのことに気付く訳がない。
更にヘスティアにとって厄介なのだが、ベルに付与したスキル。想いを強く持ち続けるとその分、ステイタスがアップするというチートスキル。絶賛一目惚れ中のベルのステイタスは見る見る内に上がって行く。
その想いに、悔しさも積み重なる。弱い自分から逃げ出そうとして、でも出来なくて。意固地になって強さを求めるベルに、スキルは正直に答えてくれる。またヘスティアもそんな姿のベルを想い、彼に新たな力を与えようと奮闘する。
深い絆で結ばれているベルとヘスティア。それでも何処かチグハグな感じがするのは、二人とも天然さんだからだろうねえ。

最後にはしっかり周囲を見返す見せ場もあって、アイズも意識してくれている。他にも何人かベルを想う女性が現れているので、ヘスティアにとっては苦しい戦いになりそう。
続きは直ぐに出るのは嬉しい。これもWEBで既に掲載されていたからか。ともかく、楽しめるシリーズ作品で良かった。