飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「最果てのパラディンI 死者の街の少年」感想

最果てのパラディンI 死者の街の少年 (オーバーラップ文庫)

〈あらすじ〉
かつて滅びた死者の街。そこには1人の生きた子供が存在した。人生の落伍者となり、何もできずに死を迎えた記憶を持ち、無力感に苛まれる少年ウィル。そんな彼を育てるのは、3人のアンデッド。豪快な骸骨の剣士、ブラッド。淑やかな神官ミイラ、マリー。偏屈な魔法使いの幽霊、ガス。彼ら三人に教えを受け、愛を注がれ、少年は育てられる。解き明かされてゆく、死者の街に秘められた、不死者たちの抱える謎。善なる神々の愛と慈悲。悪なる神々の偏執と狂気。その全てを知る時、少年は聖騎士への道を歩みだす。

ちょっと前まであんなに暑かったのに随分と涼しい毎日となりました。まあ雨続きということもあってお出かけもしにくいですが、そんな日には読書も良いかと……と、言っている僕が読めていないですね。(汗)

さてさて本作をオススメされた夏のラノベオフから1ヶ月以上が経過しているという。そりゃあ涼しくもなりますよ。話が逸れる前に感想に移ると……あらすじを読んだ瞬間、「あ。これは絶対面白い」と感じてはいたのだけど、まあ実際読むまでには背中を押して貰う必要があったという。表紙が硬派すぎるんだよっ!(悲鳴)

んで読みました。素直に面白かった。でも、これは良い意味でも悪い意味でも言わせて頂くと、「骨太すぎるだろ!」と。いやいや、これだけ壮大な物語が明けることは歓迎だけど、最後までやってくれるのかどうか不安になるほどの骨太な物語だった。登場キャラクター全員が濃厚すぎ。なんだよ、アンデットに育てらる少年ってオオカミ感覚かよ。

まあまさに物語の始まりなんです。これ、始めたからには終わらせる義務が出版社側(作家側とは言わない)にはあると僕は思うんですよね。でないとこれは罪ですよ。こんな素晴らしい物語を最後まで見せないことに対する、罪です。(プレッシャー)

「おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ! (15) 大学生編」感想

おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ! (15) 大学生編 (ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
リア充になろうと決めた日から、ずいぶん経った。いつの間にか、普通に女の子と話せるようになった。服だって自分で買えるようになった。だけど、本当にリア充になれたんだろうか。先生になって、自分だけの力で頑張ると決めた長谷川。オタク系の会社で奮闘する小豆ちゃん。新しい恋に向かうことを決めた鈴木…みんな、前に進んでいく。俺もアイツのために、進まなきゃいけない。俺はまだ、本当のリア充になってない。「初めての同棲生活だよ?楽しまなきゃ損じゃん?」大学4年生の時。アイツの笑顔を見ながら、そう思ったんだ。さぁ。明日は、俺と恋ヶ崎の結婚式だ―

一度は完結したと思っていたオタリア。大学生編というラノベ読みを熱狂させた「俺得」展開も……ついにここで本当の完結を迎えます。結婚。いや、ここまで書ききるのはある意味では凄いことなんだけど。ここまでやり切るとアニメ化まではいかないのかな。

分かっていた結末ではあるけれど、いやー、あの1巻を読んでここまでやるとは思いもしなかったよ。本当の本当のハッピーエンドってやつです。直輝と恋ヶ崎にはいつまでも幸せでいて欲しい。結婚してからが本番です。(真顔)

ところで一部のラノベ読みが期待していたネトラレ展開はありませんでした。本当にありがとうございました!

「小説 ガーリッシュ ナンバー (1)」感想

小説 ガーリッシュ ナンバー (1)

〈あらすじ〉
女子大生の千歳が、夢と野心を胸に飛び込んだ声優業界。そこからトントン拍子に人気が出て―なんてわけもなくおかしな業界のシビアな現実に直面中!仕事なし×やる気なしの新人声優・千歳の未来はどうなる!?

ガガガ文庫「あやかしがたり」で大人気となった渡航さんが新人声優を題材に描く女の子たちの奮闘(?)劇。ん? 今の説明でおかしなところがありましたか?……嗚呼! そうでした、人気作は「あやかしものがたり」でした。劇場版公開まである。

……冗談はともかく、「クオリディア・コード」も並行して進行しているのを考えると、渡さん、マジ仕事しすぎです。お身体、労ってくださいね……。

これからアニメ放送を控え、色々な媒体で展開されていくであろう「ガーリッシュ ナンバー」です。最初にコミック版を読むべきかどうか悩んだのだけど、まあまずは指揮を取る渡航先生執筆のこの作品から読むべきという結論に至ってガシガシサクサク読みました。

作家が誰か知らない状態でも「これ書いたの渡さんでしょ?(笑)」と分かるほど渡航カラー全開で僕は大変嬉しくなりました。声優の卵としてユルユルとスタートした主人公である千歳のね、根性がね、もう舐めてるとしか思えないのだけど、僕はそんな彼女のスタンスが大好きだったりします。

「よくよく考えるとこれ、女主人公ものじゃね?」と思うものの、なんだろう、何故かそんな風には思えない何かが千歳にはある。声優仲間の八重がヒロインまである。むしろ八重が声優として売れに売れて千歳が完全なるダークサイドに堕ちるまでやって欲しいまである。(心臓に悪い)

アニメ前日譚……ということだけど、これはまだ1巻。前日譚で何処までやるんだってばよ。千歳の兄貴はどういう役回りになっていくのか。これが普通のラブコメだったりプロデューサー的なあれだったりすると好意を向けられたり何だったりするのだろうけど、なんだかそんな気がしないぞ。女の子たちだけでゴーイングマイウェイな声優人生を突っ走って楽しませて欲しいにゃあ。

「ゼロから始める魔法の書 (4) コミカライズ 」感想

ゼロから始める魔法の書 (4) (電撃コミックスNEXT)

〈あらすじ〉
「十三番」が国内の魔女を大量虐殺しようと企んでいると知ったアルバスは、魔術そのものを無くすことで、魔女を守ろうと思い立つ。そのためにはゼロの協力が必要で、傭兵は再びゼロの元へ向かおうとするが――。

原作1巻だけで4巻も展開していることに今気づいた顔をしている。まだ終わってないから5巻までで1巻の話か。ほええ〜〜。

今回は一度は引き裂かれかけた傭兵とゼロの絆が、本当の意味で結ばれるお話。ゼロの泣き顔が素晴らしかった。すれ違っていた想いがガッチリ噛み合ったような。その瞬間を目の当たりにしたんです。そして十三番の行動を含め、事の発端を見るに全てゼロが可愛いのが悪かった、と。(大いなる誤解)

それとアルバス、原作読んでて最初から女の子とは知っていたけれど、劇中で明らかになってから絶対可愛くなったよねえ。なにこれ、なんだかいけない沼に足を突っ込んだ感覚がするわ。(ズブズブ)

「穿天のセフィロト・シティ」感想

穿天のセフィロト・シティ (電撃文庫)

〈あらすじ〉
72時間の《デッドタイム》――これが地表遙か上空に生きる樹層都市の人間に定められた命の残量だ。全人類に等しく課せられた絶命へのカウントダウンを断ち、72時間までリセットする唯一の方法――それは《生命樹》から生まれる《罪獣(グリム)》を倒し、その骸に生る"禁断の果実"を口にすること。ただそれだけだった。デッドタイムの急激な消費と引き換えに、特殊スキルを発動させるデバイス《罪匣》を操り、禁断の果実を収穫する者たち《罪獣狩り(グリムリーパー)》。その一人である如月キサキは、妹のユイハ、相棒のロウナと共に罪獣の領域へ踏み入る。そこで彼らが出会ったのは、命の残量が無限の少女で――。
それは人類の悲願"72時間の呪いからの解放"を目指す、恐るべき陰謀の幕開けだった。

やっぱり、ぽんかん神、100人乗ってもダイジョーブ!……深い意味はありません。強いて意味を言えば、ぽんかん神だから買いました。そして読みました。あれ? 結構深い意味じゃね?

と、いうことでやたらと電撃文庫がプッシュしていた新作。ぽんかん神の表紙が眩しいです。これは買わずにはいられないってばよっ! 勝手に新人賞作品かと思っていたのですが。作者は最終選考からの拾い上げの方ですかねえ。

まず目を引くのは「寿命が72時間であり、それをリセットするには特殊な果実を食べなければならない。そうしなければ死ぬ」という独特の設定と世界観。おじさん……いえ、お兄さんはこういう設定好きです。タイムリミットが近づいてくるとドキドキしちゃう。またこの世界で言うところの異能や、怪我を負うとその分を72時間から差っ引かれる設定もあって、これが結構面白かった。箱のようなモノから物を取り出したりとか、異能を使ったりとかがスタイリッシュ。あれ? スタイリッシュって言葉あんま使わないけどこの使い方であってる?(汗)

タイムリミットが無限という奇妙な少女を救出したことから陰謀に巻き込まれることになる……この辺りの物語展開はある意味ではお約束のような出来栄えで、安心感はあったものの目新しさやワクワク感はそれほど覚えなかったかな。新人賞作品、と思ったのもこのお利口さんにできたストーリーラインを見たから。これ、本格的に幕開けするのは次巻からだよね? そう考えると期待感は高いかなあ。妹ちゃんは素直になってからが本番。

「魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉15」感想

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉15 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
空前絶後の大軍で侵攻してきたムオジネル軍は、ブリューヌの総力の結集と戦姫たちの助力、そしてティグルの乾坤一擲の活躍でついに退けられた。人々が祝杯を挙げ、王都の復興が進む中、これまで以上に声望を高めたティグルは思いがけぬ人物からの告白を受ける。今後やらなければならないことと、ブリューヌの人々が望む英雄としての未来との間で思い悩むティグル。時同じころ、風雲急を告げるジスタートでは、ヴァレンティナの野望がついに形となって動き出す。ティグルたちの動向を伺う魔物たちも、悲願達成のために牙を剥く。息つく暇もなく、さらなる大きな時のうねりの中で英雄の戦いは続く――大ヒット最強美少女ファンタジー戦記の最高峰、第15弾!

もしかして、物語の風呂敷を大急ぎで畳み始めてます?……な15巻でした。わお! 巻数を書いて改めて驚く、こんなに追いかけてきたのか。そんな気がしないから不思議だ。それだけ面白いってことなんだろう。

ティグルが色々なことに決断をしたり、また決断を迫られたり。英雄は考えることが多い。特に女性関係のことが。ティグルさんがエレンとティッタとイチャイチャチュッチュする光景にも慣れました。(遠い目)

またヒロイン側も告白という決断をしなくてはならない方々がチラホラ。ミラとリムはそんなに悩むくらいならお願いすべき。いや真面目に。オルガはう、う〜〜ん。(親心)

物語の結末に向かっているだけあって、不穏な動きがドカドカと。戦力的には申し分ないのに、何だろうこの不安感は。とりあえずヴァレンティナの好きにさせる訳にはいかないので、ソフィーとリーザには頑張って貰いたい。けど負けるだろうなあ、本性を見せた敵との初戦だもんね……。