飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「妹さえいればいい。8」感想

妹さえいればいい。 8 (ガガガ文庫)

〈あらすじ〉
年が明け、『妹のすべて』のアニメ化発表が着々と近づいていたある日、なにげなくエゴサーチをした伊月が見たものは「妹すべ、アニメ化決定!」という新刊の画像付きツイートだった。その画像の出所はなんとギフト出版の公式サイトで…。伊月やアニメ関係者からの信用を失ったGF文庫編集部が放つ、起死回生の一手とは…!?伊月や土岐がアニメに翻弄される一方で、春斗や京、他の新人作家たちの物語も進んでいき、千尋の心にも大きな変化が訪れて―。動き続ける青春ラブコメ群像劇、第8弾登場!!

つらい。
読んでいる最中はあれこれ順番に書いていこうと思っていたけど、あとがきまで読んでまず書かなくてはならない言葉。つらい。そういえば公式がアナウンスする随分前からアニメになるような話が上がっていた気がします。それを本編にぶっこむ辺りが平坂さんっぽくはあるけど。(苦笑) アニメ化情報をネットに流す時は公式日を気にかけましょう。

ということで感想。
自分もコミケに参加するようになってから、結構色んな作家・イラストレーターさんが出ているんだなあと驚いたもんです。商業で活躍してる人は出ていないと思ったから。自分の作品の同人誌は感動するだろうなあ。そして自分の好きな女の子が自分の作品のキャラのコスプレなんてしてた日には……!

伊月と那由多の関係は平和なのか、危ういのか。しかし伊月の主人公論はカッコイイぞ、しっかり貫いたらね。いや、千尋が怖いっすな。彼女が爆弾になりそうで不安だな。でも爆弾をぶっこんで欲しいですわ。

「妹さえいればいい。7」感想

妹さえいればいい。 7 (ガガガ文庫)

〈あらすじ〉
ついに付き合うことになった羽島伊月と可児那由多。恋も仕事も充実して、ますますリア充真っ盛りとなる2人。そんな2人の交際をきっかけに、羽島千尋、白川京、不破春斗、それから何故か大野アシュリーの心境にも変化が訪れるのだった。千尋の前には新たなライバルが出現し、春斗は彼を慕う新人作家(巨乳)・相生初に熱いアプローチを受ける。近づいてくるクリスマスの足音。変わりゆくもの、変わらないもの。大人気青春ラブコメ群像劇、待望の第7弾!作家や税理士や女子大生たちの、新たな物語が幕を開ける―。

新作を挟んで今度はこちらの感想を書いていくことにします。帯にはアニメ化と書いてあるのだけど……いつの間にか始まって、いつの間にか終わっていたという。ある意味ではこの作品はタイトル詐欺のところがあるからなあ。テレビ視聴組にはどう受け止められたのだろうか。

伊月が言っているけど、まあ通常であれば那由多とのニャンニャンなシーンはいわゆる「朝チュン」で終わりそうなところなのだけど。そうはならずに、全思春期真っ只中の男子心を抉り取っていくのは流石です。ワイが中学生の時の読んでたら前屈みになって「羨ましい妬ましい」となっていたところだったわ!(前屈みで歯を食いしばりながら)このカップルは平和ですね、問題は、そうタイトルがねえ、これだからさあ。(不安顔)

新人作家ズが加わり、春斗を交えての関係が複雑化しそうな悪寒が。春斗は都一筋なんですから惑わすのはやめてください。まあ優しくしすぎる春斗が悪い説もあるが。楽しく揉めて頂ければと思いますよ。

最後の幽との関係を書いたエピソードは、おバカな出来事ではあるけど切なくなる。奔放すぎるだろ、幽さん。タイトルとイコールの作品を生み出した人だから、亡くなっているとはいえキーとなるキャラになるのか。これっきりなのか……(空を仰ぐ)

「高2にタイムリープした俺が、当時好きだった先生に告った結果」感想

高2にタイムリープした俺が、当時好きだった先生に告った結果 (GA文庫)

〈あらすじ〉
アラサー社畜な日々を送っていた俺は、ある朝目覚めると高2の春にタイムリープしていた。当時好きだった先生・柊木ちゃんに告白しないまま卒業したことをずっと後悔していた俺は、今度こそ告白すると―まさかのOK。見事付き合えることになったのだった!!でも付き合ってみると先生は男をダメにする女の人で、常に俺を甘やかしまくる。尽くし過ぎる先生とバレないように付き合いながら甘々でイチャイチャな学園生活が始まる!!毎話美味しいとこだけをサクッと読める連作短編形式。web小説投稿サイトで大人気の中身アラサーで高2な俺を甘やかしたい先生が贈る日常イチャラブコメディ!!

やすゆきさんのイラストだったから買った!(素直)イラストで選んでもいいじゃない だってライトノベルだもの……イラストで読む本を決めるのやっぱ気持ち良いですねえ!(爽やか)

目覚めたら高校生に戻っていた。主人公・真田誠治は10年前……高校時代にタイムリープすると、勢いのまま当時好きだった美人教師・柊木ちゃんに告白。返事はなんとオッケー。それから二人のイチャラブ高校生活がスタートする。

タイトル通りの内容だ。凄い。何より凄いのはこのサラサラとした読み心地。「カレーは飲み物」と豪語する人たち並みにサラサラ読んでいけるぞ!(意味不明) とにかく読みやすさは群を抜いている。

初めから何を読ませたいかが明確。イチャラブですよ。これが売り。ホップステップジャンプの恋愛がない。いきなり飛び上がってる。誠治と柊木ちゃんの関係。告って速攻で受けるから。読者は考える疑問を挟む間もないぞ。そのまま禁断の関係なのにメッチャ軽〜〜い感じで進むラブコメを読んで行くことになる。最初から最後までイチャイチャイチャイチャ。24歳と16歳ですよ。脳みそ空っぽにしてこれを楽しんで欲しい。

最後に。
過去を改変して戻ってきた時。そこにいるのは10年歳を取った二人……うん、10年一緒にいたならもっと早く色々考えられたのでは。ここで一気に現実に引き戻されるつらみ。(笑)

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー」感想

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー (GA文庫)

〈あらすじ〉
それは神の眷族が紡ぐ歴史の欠片(クロニクル)――。
「アンナ・クレーズを買い取ったのは、『大賭博場(カジノ)』の人間です」
腕利きの元冒険者リューが働く『豊穣の女主人』で今日も騒動が起こる。とある夫婦の一人娘がさらわれたことを知り、正義(アストレア)の名のもとに調査を開始するリュー。その先に彼女が辿り着いたのは――迷宮都市の治外法権、大賭博場。
人の欲望が渦巻く黄金の都で【疾風】の轟きが巻き起こる!
「お前達、声を出しな! ここは笑って飯を食べてもらう場所さ! 」
そして少女達が酒場に集う始まりの物語も収録!
ダンまちの世界を補完するクロニクル・シリーズ第一弾、始動!

広がる「ダンまち」ワールド……とはいえ広がりすぎでしょこれは(笑)ラノベ読みおじさんはついて行くのがやっとです。Amazon検索したらコミカライズ版が既に3巻まで載っていて勢いを感じるわ。

ヤスダスズヒトさん、はいむらきよたかさん、そして今回のニリツさんという豪華なイラストレーター陣。人類はどこまで贅沢になれるの……!(違う)あとペンネームに漢字を含むイラストレーターさんは担当できないんですか?

タイトルどおり今回は基本、リューさんをメインに据えた「豊穣の女主人」で働く女性陣の物語。あとがきを読むに、次回以降はリューさんではなく他のキャラをピックアップしていくと。まあロキ・ファミリアは別シリーズがあるからそれ以外のキャラになっていくのかな。出すシリーズ多すぎて忙しすぎる問題。

本作、読んでいると「え? そのキャラそんな背景があるの?」と驚くばかりで。完全にNPC的な感じで見ているキャラをそんなに掘り下げるんですねえ。これは本編でも活かして欲しいが、本編は本編で登場キャラ多すぎ問題が発生してて早く全キャラの早見表ください。

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア9」感想

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア9 (GA文庫)

〈あらすじ〉
王国軍出兵。
ベートの活躍によりアマゾネス狩りの事件を収束させたのも束の間、都市外からの侵略者の迎撃に乗り出す【ロキ・ファミリア】。強過ぎる冒険者達によって万の軍勢が蹴散らされていく中、ひょんなことから発せられた少女の問いが、リヴェリアの記憶の扉を叩く。
「昔のアイズさんの話、聞かせて頂けないでしょうか?」
それは、当時『人形姫』と謳われていた少女の秘話。追憶の欠片はハイエルフの想いを過去に飛ばし、一方で竜信仰の村に辿り着いた少女もまた在りし日の情景を追想する――。
これは、もう一つの眷族の物語、──【剣姫の神聖譚】──

ラキア王国などなどが登場すると、「外の世界ってあったんだなあ」と思い出します。高レベルの冒険者に無双されるのを見ると、今度は某コーエー的ゲームを連想してしまう。

今回はアイズ回。いや、ある意味においては毎回アイズ回ではあるのだけど。「ソード・オラトリア」はアイズが主人公だし。そう、主人公といえば僕個人としてはレフィーヤの視線が主人公っぽいといえばぽい感じではある。強くも弱くもない、未熟で発展途上にいるレフィーヤの視点の方が色んなことが新しく移る。ベテラン勢は強すぎて粛々ととてつもないことに対応することが多いから、本編との差異にモニョモニョとした思いがでる。

アイズ回といっても回想なので、幼女アイズと母親役リヴェリアの交流が良い良い。この二人って絆深いんやなあ。(妙な関心)あっ、ベートとレナの絡み、もっと書いていいですよ。

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア8」感想

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア8 (GA文庫)

〈あらすじ〉
「言っただろ、雑魚は足手纏いだってな」
ベート・ローガ。
【ロキ・ファミリア】の中でも過度なほど実力主義を謳う一匹狼。人造迷宮(クノッソス)撤退を受けて死者にさえ嘲笑を向ける彼は派閥から孤立するが……
「いたぁー! ベート・ローガ! 」
突如アマゾネスの少女レナから猛烈な求愛(アプローチ)により、なし崩し的に同居生活が始まってしまう! 戸惑うベートだったが、彼女との交流が『牙』にまつわる記憶を喚起させ、己の過去と向き合うことになる。一方、その裏で静かに暗躍する死神の眷族達。仲間を奪った凶刃が今、再びベートのもとに迫ろうとしていた――。
これは、もう一つの眷族の物語、──【剣姫の神聖譚(ソード・オラトリア)】──

ソード・オラトリア」本編もある中でコッチもガンガン発売されていくから与えられるまま流れるように読んでいるけど、この8巻が一番面白かった。本編との交錯や裏側よりも特定のキャラをクローズアップして単巻でストーリーを作って行った方が楽しめそうだ。

表紙を見ていただければ分かる通りのベート回。本編1巻の時点から既にデカイ顔して登場しているので、「ロキ・ファミリア」の中でかなり目立つ存在だった。とはいえチラホラとスポットがあ当たっていただけだったので、まあこういう回があって非常に興味深かった。

ムカつく奴=ベート。でも実は根は良い奴なんでしょ……と思っていたら本当にそうだったね、ということが分かるお話です。今回のヒロインであるアマゾネスのレナのおしかけっぷりに対するベートの反応は面白い。他者とぶつかることの多いベートだけに楽しそうにぶつかっていくレナとはお似合いなのでは。最終的にハッピーなフィナーレになって良かったかと。ベートも良かったね!