飼い犬にかまれ続けて

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「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」感想

下ネタという概念が存在しない退屈な世界 (ガガガ文庫)

下ネタという概念が存在しない退屈な世界 (ガガガ文庫)

〈あらすじ〉
「お●んぽおおおおおおおおおぉ!!」少女は叫びながら、駅の構内を走り出した。その瞬間、僕はすっころんだ。
16年前の「公序良俗健全育成法」成立により、日本から性的な言葉が喪われた時代。
憧れの先輩・アンナが生徒会長を務める国内有数の風紀優良校に入学した奥間狸吉は、《雪原の青》と名乗るペロリストに弱みを握られ、下ネタテロ組織「SOX」のメンバーとなってしまった……! 
そこはプリズン?それとも、ハーレム?
第6回小学館ライトノベル大賞・優秀賞を受賞したノンストップハイテンションYトークコメディ!よろしこしこ!

なんという書店のレジに持って行きにくい表紙。そしてなんという表紙の出オチ感!
でも中身はしっかりしてます。それが妙に悔しいのは絶対表紙とあらすじのせい。
タイトル通り、下ネタ…性的な表現が一切使えない『綺麗な世界』。あまりに性的表現が規制されてしまったため「子供がどうやって出来るか」も分からずに高校生にまで成長する人達も出る始末。
温室育ちの高校生ばかりの時岡学園に、憧れの女性を追って入学してきた主人公・奥間狸吉は風紀底辺の中学に居たこと、そして父親が下ネタテロリスト(←ここツッコミどころ!)であったこともあり、性的なことは何でも分かる『正しい知識』を持つ男。そんな彼に目を付けたのが『下ネタという概念が存在しない世界』を否定する『雪原の青』という下ネタテロリスト。パンツを被り、小学生並の下ネタを連呼する『雪原の青』…いやいや、おまわりさん、早く捕まえて下さい!
下品極まりないテロリストの正体は、狸吉が入ることになった生徒会…その副会長である華城綾女。狸吉の憧れの女性である生徒会長のアンナの親友でもある彼女の残念さと言ったらないが、確かに下ネタのない世界は退屈極まりない。というか、息苦しい。『正しい知識』を持つ狸吉を脅迫して仲間に引き入れた綾女は、生徒たちに性知識を埋め付けさせようと過激な行動に出る。いや、行動も過激だが挿絵もかなり過激だぞ!いいぞ、もっとやれ。
しかし過激という意味では上には上がいるようで。狸吉と綾女の下ネタテロ行為を上回る存在となるのが、この『綺麗な世界』の申し子ともいえるアンナ。性教育皆無の彼女は『恋愛』と『性欲』を切り離して考えられずに、狸吉に迫る。その迫り方が完全に痴女を超えてます、本当にありがとうございました。綾女の懸念が現実となり、暴走するアンナ会長がエロ怖い。もう狸吉と綾女の笑わずにはいられない馬鹿げた行動が、アンナの暴走に上書きされて忘れてしまうくらい強烈。そして口絵はグッジョブといわざるおえないな!
終わってみればアンナさんに話を持って行かれている気がしないでもないが。それでも最後はしっかり話を落としてきている。
イラストも内容もとても良かった…のだけど、あとがきで触れているように授賞式はとんでもない羞恥プレイだったんだろうな。これが一番笑ってしまった。