飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「異能バトルは日常系のなかで 2」感想

異能バトルは日常系のなかで 2 (GA文庫)

異能バトルは日常系のなかで 2 (GA文庫)

〈あらすじ〉
始まりは――あの日。 安藤と鳩子が「中学二年生」になった朝から続く物語。
「お前が好きだ! 付き合おう!」
ある日突然、俺にド直球な愛の告白をしてきた生徒会長の工藤さん。 この前やったあの残念異能バトルで、俺にガチで惚れちゃったって!?
それ以来、なぜか文芸部員みんなが俺にすごーく冷たい。
「イチャイチャしてんじゃないわよ」
「ジューくんをシカト中でーす」
「安藤くんは死ぬべきですね」
「うたるっぞぬしゃあ!」(これ誰!?)
そんな中、幼馴染みの様子がおかしくなり――
――俺は許されざる罪を贖うべく、異能解放第二形態<ネクストステージ>を発動――
「やめなさいよ! それは……」
一途な想いが爆発する取扱注意な日常!
でもそれだけじゃ語れない新・異能バトル&ラブコメ第2弾!!

厨ニは一日にしてならず。
…ごめんなさい。自分で言ってて意味が分かりませんでした。
今回スポットが当たるのは、寿来の幼なじみでる鳩子。幼い頃から厨ニ発言ばかりしていた寿来と居続けた鳩子との間に亀裂が走る。

物語前半は工藤さんの暴走とともにお送りしています。いつも厨ニ病大爆発でボケ倒す寿来が、ツッコミを入れまくるほど色ボケする工藤生徒会長が見所。ある意味波長が合っているとも思えるこの寿来と工藤のやり取りが、後に鳩子との仲に亀裂を入れるフラグになっている。

隠れオタクの灯代はともかく、何だかんだで鳩子以外の文芸部員たちは寿来の発言についていける。寿来が「カッコイイ!」と感じる展開や設定は、感覚的なものであって理解できない人には全く理解できないからなあ。訳の分からないことを常に聞かされ続けてきた鳩子が、寿来の「どうせお前にはわかんねーだろ」にキレるのは当然のこと。自分の気分が良くなることばかり言い続け、隣にいるのが当たり前だと思っていた幼なじみ。彼女の爆発が寿来に幼なじみの有り難さを気づかせた。

再び回り始める異能持ちたちの日常。しかしその外側では不穏な動きを見せているのだが、それが何処まで話に食い込んでくるのか分からないのがこの作品の凄いところ。サラッと彼等を無視して、思わず吹き出してしまう日常コメディを展開し続けそうだが。僕はその方が好きかなあ…(笑)