飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ごはん食べたい! なんでもしますから?」感想

ごはん食べたい! -なんでもしますから?- (GA文庫)

ごはん食べたい! -なんでもしますから?- (GA文庫)

〈あらすじ〉
ご飯くれればなんでもやります!?
腹ペコすぎる僕と彼女の超楽しいパワフルお悩み解決ラブコメディ!!
「ご、ご飯……ください」
自らを『運命を司る貧乏神』と称する超ハラペコ少女・小雨と、
「私は空腹になんかなりませんわ!」
『妖精女王の末裔』であると主張し、クラスで浮いちゃってる少女・鈴音。
深刻な空腹に悩む貧乏少年・晴斗は『お腹いっぱいご飯を食べたい』という切実な共通点で結ばれた二人と共に、学内で何でも屋のお仕事を始めることに(報酬は食べ物可!)そんな彼らの最初の依頼人は、全裸の犬……いや、全裸の美人お姉さん!?
「服着ろよ!」
「断る!」
僕と彼女のシャレにならないハラペコ事情!?
《GA文庫大賞受賞》のお悩み大解決ラブコメディ登場!!

お前ら腹へらしすぎィ!!
この現代日本でこれほど腹ペコな人は珍しい…と思うのは僕が貧困で喘いだことがないからだろうか。

貧乏ゆえに腹をすかしている。バイト先を失った苦労人の主人公・春斗は、「お腹いっぱいごはんを食べる」ためにどんなことでもやる何でも屋をしている小雨と共に、おかしな依頼人が持ち込む非科学的な依頼に挑んで行く。

ハングリー精神(使い所が違う)を持っているはずなのに、気弱でネガティブ思考の小雨はどうにも面倒な女の子…本人いわく『貧乏神』。また小雨以外のヒロインにしても妖精女王を名乗ったりだとか、全裸女性に化ける犬だったりと、一癖も二癖もあるキャラクターに囲まれ、春斗はツッコミを入れっぱなし。そして押し寄せる非常識な存在が引き起こす苦労という名の波。巻き起こるドタバタ劇の描き方には安定感があると思う。

「依頼人のお悩みを解決する」
ある意味良くある設定。内容にしても意外性のあるものではない。せっかく『ごはん食べたい!』という目を引くタイトルなこだから、もっと食にスポットを当てた物語展開であって欲しかったかな、と。このタイトルでは変に期待してしまうよねえ。物語の構造そのものは賞を獲るに足るものだっただけに、惜しい。食事に関する設定を強めればもっと良い作品になるよ。

しかし「ずっと一緒にごはんを食べたい」は良い殺し文句だ(笑)完全にプロポーズです。僕も積極的に使っていきたい……ごめん、使う場がなかった…。