飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

ご報告

はい。既にツイッターランドでは報告済みですが、改めてブログでもご報告をば。

3月1日に第2子が生まれました。男の子です。上の子も男の子なので男兄弟になります。余談ですが、「おとこのこ」と入力すると「男の娘」が出てくるの何とかしたい。

自分は男兄弟ではないのでその関係がどういうものか……どうなるのか、イメージがつかないところがあります。あれですかね、拳と拳で語り合ったりするんですかね。あるいは兄が弟にアレコレ言って、キレた弟にぶっ飛ばされて怪我した挙句、数年後には謎の宇宙船で漂流しそこでもイザコザ起こす迷惑な兄弟になるんですかね。それなんて無限のリヴァイアス? ヴァイタル・ガーダー、リフトオフ!

ラノベで男兄弟というと、ファンタジー系で王位継承権争いをしている印象があるなあ。ラノベ主人公の男兄弟率を誰か検証して欲しいぞ。「BLACK BLOOD BROTHERS」みたいな主人公男兄弟設定(まあ本当はもっと複雑だが)は実は稀有なんじゃないか説。(水曜日のダウンダウンのBGM)

まあ余計な話をしてしまいましたが。最後にもっと余計なことを言うと、長男はまだラノベに興味はありません。(絵本)

「29とJK3 ~社畜のいやしはJK~」感想

29とJK3 ~社畜のいやしはJK~ (GA文庫)

〈あらすじ〉
「先輩の妹さんって、すごく可愛いんですね」29歳社畜、槍羽鋭二。後輩の渡良瀬が目撃した「妹」というのは交際中のJK・花恋のことだった!花恋を妹として、会社の草野球に呼ぶハメになる槍羽だが、そこに元カノや妹(真)もやってきて…!?そして正月。槍羽は帰省して同窓会に出席する。目的は、昔の親友と会うため。11年ぶりの再会となるはずが、元カノ・沙樹と花恋の出会いにより、それは奇妙な方向へ進む。語られる槍羽の少年時代。沙樹と、親友と、三人で駆け抜けた胸躍る冒険とほろ苦い挫折。この再会は、今の槍羽と花恋に何をもたらす?“禁断の”年の差ラブコメ第3弾!

どうも単巻モノの印象があるので刊行が伸びると奇妙な違和感が。いや、面白いので続いて欲しいのですが。

おっぱい大正義すぎる作品でしょ。イラストほぼおっぱいで占められてるまである。あと野球展開のあるラノベは売れる説もあるのである意味大正義。今回は次回の布石回だったかな。まあJKと付き合ってるのバレていくとこいかれたらタイーホだよね。

「29とJK2 ~大人はモテてもヒマがない~」感想

29とJK2 ~大人はモテてもヒマがない~ (GA文庫)

〈あらすじ〉
29歳社畜・槍羽鋭二は二つの仕事を抱えている。一つは八王子営業チームの運営。もう一つは社長の孫娘・花恋と社長命令で交際すること。どちらも問題アリアリ。新たに異動してきた上司は狡猾なブラック野郎。そして花恋は槍羽にデレまくり、純粋で一途な恋心を向けてくる。有能な槍羽を自分の派閥に抱き込もうとする上司をかわし、可愛いJKの求恋を叱り飛ばして日々を乗り切る槍羽だが、「顧客情報漏洩」という会社の一大事が降りかかる。そして普段はクールな部下・綾からはセクハラ被害を相談されて――!?

少し遡って2巻の感想を書いてみます。この2巻、分厚かったんだなあ。タイトルの割に中身は骨太な作りなので、いや、これタイトルで得してるのか損してるのか良く分からない。(笑)

前回に引き続きJKと付き合いながら(犯罪)、会社内部の闘争に巻き込まれていくスタイルの鋭二。それでも対応できて戦えてしまうのは鋭二が有能すぎるから。これはもう優秀な鋭二の有能っぷりを拝む物語に特化して良いと思う。

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか13」感想

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか13 (GA文庫)

〈あらすじ〉
「【破滅の導き手】……【約束されし妖精】……エルフ? 【疾風】のこと?」
18階層の宿場街にもたらされる殺人の凶報。犯人は黒表の賞金首――【疾風】。耳を疑うベル達がリューの容疑を晴らすべく、彼女の行方を追い始める中、カサンドラは『最悪』の予知夢を見る。告げられし十七節の予言。予言の成就は大切な者達の『死』。絶望に打ちひしがれる悲劇の予言者は、破滅に抗う孤独の戦いを始める。そして真相を追う少年が、黒き復讐の炎に焼かれる妖精と邂逅を果たす時、かつてない【厄災】が産声を上げる! これは少年が歩み、女神が記す、 ──【眷族の物語<ファミリア・ミィス>】──

前回の終わりからのリューさん回です。正確にリューさんを中心とした探偵的なお話になっています。外伝でリューさんの背景を読んでいるとより楽しく読める印象。

比較的本の厚みが薄いので、「これは一冊でリューさんの話はおしまいかな?」と思っていたのだけど。敵が小物っぽいなあと侮っていたら終盤からとんでもねえ展開に。強敵からの強敵、追い討ちの強敵と絶望的な状況に落とし込んでくるこの感じ。ベルくんじゃなかったらとっくに死んでるだろ。結末だけをみるとリューさん完全にヒロインじゃないですか。

今回のボスのジャガノートのデザインは好きだなあ。しかし「ダンまち」はキャラクター紹介ガッツリ載せないともう分からないんですけど……。

「月とライカと吸血姫 2」感想

月とライカと吸血姫 2 (ガガガ文庫)

〈あらすじ〉
ノスフェラトゥ計画』の一件を評価されたレフは、実験体の吸血鬼イリナを監視する任務から解かれ、晴れて宇宙飛行士候補生に復帰。「人類史上初の宇宙飛行士」の座をかけた選抜試験に挑み、ライバル達と鎬を削る。一方、イリナに不穏な空気が忍び寄る。「実験体は用済みだろう。廃棄処分を」。昼と夜、すれ違うふたりの運命は。―宇宙開発の黎明期であり、最前線。様々な思惑に翻弄されながらも、命懸けで遙か宇宙を志すふたりがいた。宇宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女が紡ぐ、宙と青春のコスモノーツグラフィティ第二幕。

どうやら世間的には3巻の発売日のようでした。これは2巻の感想になりますのでお間違えのないようにお願いします。うん、紛らわしい。

正直、イリナが宇宙に行ってしまっているので「これから何をやるのだろう?」と少し疑問ではあったけど。今度はレフくんの番という。

レフがライバルたちを破り、ついに宇宙飛行士へ。しかし宇宙に対する純粋な想いがどんなに強くあっても。政治的な、しかも国家レベルの謀が付き纏う。イリナもその陰謀の中で命を狙われていて、助け出す意志を持つのはレフただ一人の状況。レフはただの傀儡としての英雄でいることを拒み、イリナのため真実を口に出す姿はまさに男ですわ。同時に良い意味でバカな人だとも思う。

人類で初めて宇宙にいった人。それが嘘だということはレフは分かっていて、その嘘とこの一冊を通して悩み戦った。結果、好転したのはレフの情熱が他人を突き動かしたからか、それともその結果もまた陰謀に過ぎないのか

レフとイリナ。一緒に月に行きたいという新たな願いを掲げ、次なる展開へ。放置気味だった連合王国側も動き出して楽しみな流れだ。

「月とライカと吸血姫」感想

月とライカと吸血姫 (ガガガ文庫)

〈あらすじ〉
いまだ有人宇宙飛行が成功していなかった時代。ツィルニトラ共和国連邦の最高指導者は、人間をロケットで宇宙に送り込む計画を発令。その裏では、実験飛行に人間の身代わりとして吸血鬼を使う『ノスフェラトゥ計画』が進行していた。閉鎖都市で訓練に励む宇宙飛行士候補生のレフは、実験台に選ばれた吸血鬼の少女、イリナの監視係を命じられることになる。上層部のエゴや時代の波に翻弄されながらも、ふたりは命懸けで遙か宇宙を目指す。宇宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女が紡ぐ、宙と青春のコスモノーツグラフィティ。

このライトノベルがすごい!2018」文庫版にて第4位になった本作。その前から良い評判は聞いていたので安心して読みにいけた。余談ですが、読み終えてからタイトルの「吸血姫」を「ノスフェラトゥ」と読むことに気づきました。横文字ルビタイトルあるあるです。

二つの大国。ツィルニトラ共和国連邦とアーナック連合王国は人類未踏の地である宇宙を目指し、熾烈な開発競争を繰り広げていた。共和国が人工衛星ロケットと共に犬を打ち上げ、続いて月の調査に成功する。次の目標は人類が宇宙に上がること……連合王国よりも先に有人ロケットを打ち上げたい共和国は、実験のため人間の代わりに吸血鬼を送り込む「ノスフェラトゥ計画」を発動。共和国の宇宙飛行士候補生・レフは実験体である吸血鬼の少女・イリナのお目付け役に選ばれるのだが……。

イラスト担当のかれいさん、コミカルな感じのイメージがあったけど、この表紙は素晴らしいなあ。タイトルをしっかり一枚のイラストに落とし込んでいる。良きかな良きかな。

はい、それでは感想です。
「吸血姫」というタイトルを見てイメージした内容とは随分違かった、というのが最初に思ったこと。吸血鬼を扱う題材として宇宙を持ってくるのは素直に驚きました。作中での吸血鬼の設定も、血を吸うことがある以外は、まあそれほど人間と大差がないというもの。吸血鬼に向けられる差別と偏見。主人公のレフもまたその一人であったが、可愛く、また意志の強い吸血鬼少女のイリナと接する内にその考えを改め、それどころか彼女を守りたいと思い抱くようになる。

青春。これはレフとイリナの青春劇。そして二人が追いかける宇宙という夢。とてもとても青臭い物語で、丁寧の綴られた言葉たち……ページが進むごとに二人の距離が縮まって行く様をニヤついた顔で追いかける。でも青春や夢だけで生きられるほど、レフとイリナの周辺は穏やかではなく、国家の謀略、あるいは勝手な都合というのか。二人はその渦に飲み込まれようとする。人と吸血鬼。分かりあい、心を繋いだレフとイリナの情熱溢れる青春に心が熱くなってくる。