飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「放課後あいどる」感想

放課後あいどる (ガガガ文庫)

放課後あいどる (ガガガ文庫)


「だって、わたしにはみんながついているんだから!」

実在する秋葉原ディアステージを舞台にしたコラボレーション企画ラノベ。
秋葉原ディアステージで活躍する三人組アイドルユニット『コスモス』と、アルバイトとして採用されたごく普通の高校生佑介との交流を描く青春ラブコメ。唐突な冒頭の後、佑介のアルバイト採用から物語が始まるため、主人公の性格と、ディアステージで働く『コスモス』三人娘の人となりを同時に把握していかなくてはならないので、どうしても主人公の影が薄くなる。その分と言って良いのか、『コスモス』――真帆、悠里、つばさの三人の個性が強烈で、序盤から飽きることなく物語に入ることが出来た。
ゆるゆる天然キャラの悠里。生意気だが素直になると途端可愛いつばさ。そして佑介の高校の生徒会長にしてクラスメートの真帆は、学校ではアイドルであることを隠し『氷の女王』と言われるほど冷めた高校生活を送っているが、ディアステージでは明るい笑顔を魅せる正にアイドル。
秘密を共有することで接近する佑介と真帆であるが、悠里とつばさ(特につばさ!)も絡んできてラブコメの楽しさを味わえて顔が笑ってしまう。
ライバル店のアイドル『カラフルキス』にアイドルとしての差を見せつけられ悔しがったり、過去のトラウマに呑まれそうになるがアイドルとしての本質を見失うことなくステージに挑む姿など真帆を中心にアイドルとして成長していく様が熱い。また佑介もアルバイトという枠からディレクター、プロデューサーと才能を開花されていくのだろうな。
今回ほとんど人物紹介だけで終わった『カラフルキス』メンバー、特に妙なフラグを立てていたかなで等の参戦は2巻からですか。楽しみ。