飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「白翼のリンケージ 3」感想

白翼のリンケージ 3 (白翼のリンケージシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

白翼のリンケージ 3 (白翼のリンケージシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

〈あらすじ〉
最凶のイル・鄢金を撃破し、季節は冬へと変わろうとしていた。
鄢金の正体について喧嘩をしてしまった楓と明日花。そこへ“リンク”という名の呪いを与えた銀狼が、昏睡状態から回復したと報せが入る。 呪いの解除のために銀狼の元へと向かうがそこで、隔離街、そして隔離街の住人の真実を知ってしまう。すべてを知った楓たちは、イルの源・真祖を倒すべく、入れば二度と出てはこれない、隔離街への潜入を決意する――。楓たち内調、隔離街の住人であるクルトたち、そしてイル。未来を懸けた決戦の火蓋が切って落とされる!
伝奇剣戟アクション決戦の最終巻!!

3巻完結としっかり物語が収まりきるのか心配だったが杞憂でした。納得のいくラストに満足、いや良かったあ。
物語開始当初はあれほどいがみ合っていた二人の距離はほとんとゼロに。しかしリンクによって起こる互いの想いの共感が成す恋心なのではないかという不安がわだかまる。真実の想いを知りたい反面、リンクが無くなり想いが途切れてしまうなら今のままでも良いと考える楓と明日花の変化は驚くものがあるが、二人が乗り越えて来た窮地を思えば当然か。
今まで敵同士であった隔離街側の思惑が判明し、思うものはあるけれど共闘することに。元々は仲間だった者が多いので明日花たちにしてみれば本格的な殺し合いになる展開にならず良かったのでは。ウィルスの発生源である真祖たちとのバトルはまさに死闘。リンクなしでも繋がり続ける力を信じて戦う楓と明日花の姿が熱い!
終わってみれば振られた男がひとりでたもののハッピーエンド。最後の最後に楓の前に現れた成長した明日花との物語はいろいろ想像をさせてくれて、とても気分の良い余韻を残してくれた。