飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「異能バトルは日常系のなかで」感想

異能バトルは日常系のなかで (GA文庫)

異能バトルは日常系のなかで (GA文庫)

〈あらすじ〉
俺を含めた文芸部の五人は半年前、とてつもない能力に目覚めた。
そして壮大なる学園異能バトルの世界へ足を踏み入れ――なかった! ?
「なんも起きねえのかよ! 」
異能に覚醒してみたものの、日常は完全無欠に平和だ。
世界を滅ぼす秘密機関などない! 異能戦争もない! 勇者も魔王もいやしないっ!
だから俺たちはこの超級異能を、「黒炎の龍にヒゲ生やせたーっ! ! 」
気軽に無駄遣いすることに決めた。
だが異能バトルに憧れ続けた俺だけは、真なる戦いの刻が近づきつつあることを確信していた――。
神スキルとたわむれる何気ない日常。
だが、それだけじゃ終わらない新・異能バトル&ラブコメ、開幕! !

異能を手に入れたことで壮絶な戦いに巻き込まれていく…こともなく平穏な日常を生きる高校生のお話。正直『物語』と言えるほど具体的な筋はない。世界を根底の在り方を根底から覆してしまう異能を持つ五人の文芸部員が(※但し主人公の安藤は除く)、「厨二病」「二つ名」といった異能バトルには付き物の魅惑のワードについて学んだりあるある話をするのがほとんど。そんな厨二話をアニメやマンガ、ラノベの設定や登場人物に例えているのは分かりやすくいいのだがこんなに堂々と名前使っていいのかよ(笑)
厨二病患者の鏡のような安藤を可哀想な目で見る四人のヒロインたちは、それぞれしっかりと属性を持っていて個性を十二分に発揮。特にメインヒロインの灯代は、周囲には隠しているがとても隠しきれない立派な厨二病で、同じ症状の安藤とお似合いなのでは。灯代の厨二病がバレそうになった際の反応が可愛いですな!
裏では異能に関する陰謀が働いていたり、高校生には過剰な力に悩むなどシリアスな面もあるが、この作品はこのままこのゆるい展開で行って欲しい。