飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「のうりん 4」感想

のうりん 4 (GA文庫)

のうりん 4 (GA文庫)

〈あらすじ〉
Q.
士(つかさ)姉さん、こんにちは。ぼくはアイドル好きの高校生です。
どうすればアイドルと結婚できるんでしょう?(K・H 岐阜県)
A.
農家へ行け。
オマイは一刻も早く現実を見るべきじゃ。夏休みを利用して農村へ戻れ。
戻ってアイドルのことなど忘れて、幼馴染みと結婚しろ。そして子供を作れ。
十人くらい作れ。家庭を持って妻や子供のために必死に働けば、
そのうちアイドルのことなんてどうでもよぉなる。
つべこべ言わずにさっさと帰って来い!!
――耕作と農、遂に結婚!? 林檎はどうなっちゃうの!?
農村の光と影を描き出す第4巻! 読めば絶対田舎へ行きたくなる!!

ここまで『のうりん』をしっかり読んでいる諸君は既に分かっていることではあるが、敢えて言わせて貰おう。
今回も『のうりん』おもしれええええええ!!!!!
白鳥さんと切符さん、そして編集者さんの強い一体感を毎度感じるのは僕だけではないはずだ。
「フォント芸」「イラスト芸」「パロネタ」で良く叩かれることのある『のうりん』…アクの強い作品であることは認める。苦手な読者がいるのも分かる。
でも!だからこそ!この作品はここまで『好き者』を引き寄せることが出来るんだ!……あれ、褒めてるはずなのに貶してるように聞こえるぞ?
はい。話がこれ以上逸れる前に内容へ。
農とともに田舎に帰ることになった耕作。林檎も同行する三人での帰郷であったが、農の虚言のせいで村全体を巻き込んでの結婚式をすることになるわ、林檎は嫉妬で最高に機嫌が悪いわ、農の姉である士の「村おこし」に荷担させられるわのカオスな状況に。そんな中、農の幼い双子の妹である商と工の田舎っ娘たちの癒しが堪らない。特に耕作に懐いている工の兄愛は、最後の最後、追い込まれた耕作の心を解き放つキッカケになる。パロ満載で読者を笑わせてくれた後、シリアスに『締め』てくれるので安心して読めるよ。耕作の生い立ち、育った村への感情、そして農業への想い。胸に溜め込んでいた想いを吐き出した耕作は晴れやかな気持ちで林檎と農にキメ顔を取ったが…そりゃあ殴りますわな!良い話が台無しだよ!あと切符さん仕事しすぎ!
前から伏線の張られていた故郷への想いを告げたことで耕作の気持ちに区切りがついたけれど、農と林檎への想いに関しては寧ろ区切りをつけるのが…どちらかを選ぶのが難しくなっているような。士姉の言うとおり、このままの関係ではいずれ駄目になってしまう。
さて次回は海外研修から戻ってきた良田さんが、自らの暗い過去と疫病問題に絡めてメインを張ることになるのかな。人一倍家畜を大切にしている良田さんがどんな答えを出すのだろうか…まあまたおっぱいネタで弄られまくるのは間違いないだろうけど(笑
あとがきで『ラノベ好き書店員大賞』の話題に触れていたのは嬉しい!!