飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない11」感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(11) (電撃文庫)

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(11) (電撃文庫)

〈あらすじ〉
「あの頃のあたし───お、お兄ちゃんっ子だったの」
引っ越し祝いパーティの場で交わされた“約束”を果たすため、田村家を訪れた俺と桐乃。話し合いは、やがてそれぞれの過去話になっていって……
「仕方ないことなんかなぁ、この世に一個だってねーんだよ!」「学校に行ったら負けだと思っている」「その謎のペットボトルは……まさか……おまえ禁断の行為を……!」
『凄いお兄ちゃん』なんて、最初からいなかったんだよ」「そんなことで、お兄ちゃんを嫌いになるわけないじゃん」
「だから。あたしは、あんたのことが嫌いになったんだよ」
兄妹冷戦の真相が、ついに明かされる。重要エピソード満載の最新刊!!

京介と桐乃が冷戦状態に陥るキッカケになる過去話。

お兄ちゃんは昔、格好良かった。
トラブルに自分から首を突っ込んでいく中学生の京介。物語序盤でこのエピソードを目にしていたら世話焼き京介の姿に驚いただろうが、今はもう意外でもなんでもない。大きな挫折を知って「平凡な兄」に落ちた京介がよくもまあここまで復活したものだと、別の感嘆はあるけどね。
「お兄ちゃん子」の桐乃がそんな「平凡な兄」を見ているのが嫌で次第に離れていったのは仕方ない。

全てを見据えて的確なことを言い続けている麻奈美は、ある意味最強の「幼なじみ娘」だ。静かに怒る麻奈美さん、本気で怖いです…。

昔話に集中しすぎて完全に忘れていたのだけど、あやせの告白の返事はまだだったのね。あやせの決意・黒猫の決意を受けて立つ桐乃。ここまで明け透けなく語り合う彼女たちが笑って物語を終えられるように祈るばかり。