飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「思春期ボーイズ×ガールズ戦争」感想

思春期ボーイズ×ガールズ戦争 (電撃文庫)

〈あらすじ〉
「人生に命を懸ける瞬間があるなら、それは今だ」
正しく生きることを止め、男らしく“男であり続ける”ことを誓った三人の少年がいた。思春期だった彼らは女の子のことを知るためには、あらゆる批判を恐れず、大きな力にも屈することなく、立ち向かっていこうと誓ったのだった。覗きすら辞さない──つまり、どうしようもなく思春期だった。
そんな男子に武力行使で物事を解決するのが、女子が牛耳る男子矯正委員と生徒会。容赦なく顔が変形するまで殴る中崎ミイナさんは恐ろしく怖い。女性はかくも怖いのに、なぜ惹かれるのか。三人には深すぎる命題であった。
男であるために女の子を知ることを望み、あらゆる作戦を行使する三人。どうしようもない男たちに、怒りの鉄槌を下そうとする中崎さんたち女子陣。少年少女たちの終わらぬ戦いが始まる。

第20回電撃小説大賞銀賞受賞作。
表紙を見ただけで単なるラブコメだと思い、軽い気持ちで読み始めました。
今は反省しています。青春、良いですよね…(遠い目)

女尊男卑が普通の世界。小学生、中学生と女の子たちに冷遇され、恋愛なんて夢のまた夢の思春期を過ごしている三人の少年。それは高校生になっても変わらず、それどころかますます肩身の狭い思いをする羽目になる。それでも「男らしい」思春期を送るため、三人は女体への探究心を膨らませるのだが、その道を中学の頃からの同級生であり、男子矯正委員の中崎ミイナが阻む。

男子高校生の青春。その時間を過ごすに必要不可欠な存在といえば、女の子。
それだけでは青春を送れない。もっと必要な存在がいる。そう、それは親友。心を許せる、親友の存在こそ素晴らしい青春を送るためになくてはならない存在だ。
中学時代、女子の裸体を拝もうと女子更衣室に侵入したのがバレたことから、高校に入ってもその事実が尾を引き、女の子と蔑まれるマサミチ、リュウジ、ジュンの大親友三人組。容姿も性格も全く違う三人だけど、女の子への行動と考え方はいつも一緒。そんな三人組のおバカな青春と友情と探究心をバカ真面目に描き切っているのがこの作品。

三人のおバカな行動のせいであるところが大きいのだが、とにかく女の子たちが攻撃的で男性陣の扱いが酷い。暴力的である、と言った方が正しいか。男性を追い落とそうという時風のためか、女性の男性への接し方にかなりフラストレーションを覚える。それがなかなか解消されることなく、マサミチたちがやられっぱなしでいるのが長いのがこの作品の欠点かな、と個人的には思う。もう少し女性陣の当たりが緩くても良かったかな。