飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

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「“夕顔” ヒカルが地球にいたころ……(2) 」感想

“夕顔” ヒカルが地球にいたころ……(2) (ファミ通文庫)

“夕顔” ヒカルが地球にいたころ……(2) (ファミ通文庫)

「おまえがヒカルと交わした約束を、ヒカルの友達の俺が引き継ぐ! 俺がおまえとヒカルとの約束を果たす!」
ヒカルが、まぶしそうに目をすぼめる。
ひいなが身を乗り出し、朝衣が鋭い目で唇を噛む。
頭条は、厳しい表情で是光を見つめたあと、
「頼む」
静かに、深々と――頭を下げた。
是光も、落ち着いた低い声っで答えた。
「任せろ」

なるほど。タイトルの冠はそういうことだったんですね。巻ごとに攻略ヒロインが設定されていると。
幽霊になってしまったヒカルの代理人として、彼の想い人である葵にヒカルの気持ちを伝える過程で『友達』になった二人だが、これまで友達を作ったことのない是光がヒカルとの「友人としての距離感」を計りかねて苦悩する姿が嫌に可愛い。

葵との交流で女性嫌いであった是光が「女性の可愛さ」に気付き、今回のヒロインである夕雨に初めての『恋』をする。
ヒカルが生前に気にかけていた女性のひとり、引きこもりの儚い美少女・夕雨に引き合わされた是光であるが、前回の葵の一件とは違ってヒカルは積極的に是光を助けたりはせず、専ら是光のみで夕雨に接して行く。幽霊の立ち位置に徹するヒカルの姿に苛立つものの、そのことで夕雨を放置することなく行動し夕雨と打ち解けようと奮闘するひたむきさこそ、我等の是光の姿である!

熱くなりすぎて玉砕するのも仕様です。

「ヒカルと人気を二分する男子」頭条俊吾と相合い傘で下校したことで、嫉妬の的になりイジメられ引きこもりになった夕雨を外に連れ出すため、その原因を取り除くとする是光の行動力には恐れ入ります。夕雨のことを何とも思っていないと口に出す俊吾であったが、ヒカルのみが知っているその嘘が是光によって暴露される。二人の友情を疑問視している朝衣の目の前でこれらの展開がされるのは痛快。
しかし俊吾が夕雨を想ってイジメを止めようとしたことが、かえって首を絞めてしまうのが現実のままならないところ。

夕雨の閉じた心に真っ正面からぶつかり、その心を解放することに成功した是光ではあったものの『初恋は実らない』という言葉通り、外国の母親の元に行く夕雨と別れることに。まあここで是光と夕雨の恋が成就してしまうとお話が終わってしまいますよね。あ、野暮なこと言ってスイマセン。

夕雨が去り、ひとつの恋を終えた是光に帆夏の告白。
帆夏の心情は前回に引き続き今回でも描かれている分、彼女の恋は報われて欲しいと思うが…次回予告の『若紫』から考えて3巻はロリコン御用達じゃないですかやだー!

ラストの俊吾視点で、はとこである葵を妹のように想う彼のお兄ちゃんっぷりが今までの俊吾のクールさを良い意味でぶち壊して大笑い。次回も楽しみ。