飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「落ちてきた龍王〈ナーガ〉と滅びゆく魔女の国」感想

落ちてきた龍王〈ナーガ〉と滅びゆく魔女の国 (MF文庫J)

落ちてきた龍王〈ナーガ〉と滅びゆく魔女の国 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
ここは、戦の絶えぬ世界。魔女が人に追われ、疎まれ、攻め滅ぼされんとする世界。
ある日、その男は落ちてきた。“黒き森の魔女”ハリガンの前に――風呂の天井から。
「な、な、な、なんじゃ貴様は!?」「乳だ! しかもでかい!」――ただ滅びを待つ魔女の国に、突如現れた異界の男――「こっこら、勝手に人のぁあ乳をうぁぅ揉むなんぁぁっっ!」「巨乳巨乳巨乳!」――記憶を失い、名に“龍王”を持つ、奇妙な出で立ちの男――「おとおと男があねあね姉様のおっぱいをぉぉぉぉ!?」「落ち着けユウキ!」――かくて“戦才”と“魔法”は出逢い、運命の歯車は逆転をはじめる!
艶やかに舞う戦乱無双ファンタジー、ここに開幕!

最近は『異世界ファンタジー』というと富士見ファンタジア文庫ではなくて、MF文庫Jの印象の方が強い。
それはともかく内容に。魔女と人間とが争いを続ける世界に『落ちてきた』記憶喪失の男・ナーガ。そして彼に可能性を感じた長ハリガンを筆頭にした美女・美少女揃いの魔女たちが滅びに向かう自分たちの未来をナーガに託す物語。
とはいえ、まだ1巻。態度がデカい上にスケベなナーガに魔女たちは不信感しか持っておらず、ハリガンですら己の感覚に疑問を抱くほど。確かに見るだけでなく直接おっぱいにまで触るナーガは、ただのどスケベ野郎にしか思えない。男嫌いの魔女ユウキがナーガを嫌うのも、まあ仕方が無いかな、と。しかしユウキの男に対する過剰反応は過去に何かがあったとしか思えないので、その辺りの解消イベントがナーガとの距離感を縮めることになりそうだけど。
魔女たちに懲りずにセクハラをしては怒られるナーガも、魔女と人間の戦が始まると真剣に。魔女の力を利用した常識外の戦法にギョッとするナーガではあるも、記憶喪失ではあるけれど『指揮』をとる力を持っていることを自覚し、魔女の戦い方に首を傾げ始める。魔女は力を行使するに当たって制約があるのが、ナーガの視点では無駄が多いように見えるんだよなあ。その制約を考えても改善のしようありそうだし、それを提示するのがナーガの役割。少数ながら強力な力を持つ魔女に必要なのは司令官。その片鱗を魅せたナーガに期待を寄せ始める魔女たちは、彼とともに生き残ることができるのか。
この作品。面白いのにオススメしにくいのが、ナーガが本領発揮してくれそうなところで「続く」になってしまう点なんだよね。次の巻もまず間違いなく面白いことになるだろうけどさ。早く続き出てくれーナーガの活躍みせてくれー!