飼い犬にかまれ続けて

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「スクールライブ・オンライン」感想

スクールライブ・オンライン (このライトノベルがすごい! 文庫)

〈あらすじ〉
MMORPG《3R》――「楽しみながら学ぶ」を目標に授業にオンラインゲームを取り入れ、大きな成果を上げた私立栄臨学園。だがその結果、今日では生徒たちの間に「レベルこそがすべて」という風潮が広がっていた。
新藤零央はそんな現状に疑問を抱き、ひとり孤独なプレイを続けていたが、ある日の大型アップデートを境に、彼の学園生活は大きく変わり始める――。
リアルとゲームが交錯する、新感覚学園×オンラインゲーム小説、始動!

楽しくなければゲームじゃない!
はい、その気持ち分かります。寧ろ分からない人はいないんじゃないかな…と思うんだけど、何故かそれを見失って効率ばかりを求めるようになってしまうのが人間の悪いところ。
ゲームの楽しみ方は人それぞれ、と言ってしまえば確かにその通りなんですが。

学業にゲームを取り入れた先進的な学園を舞台にした物語。
MMORPG『3R』の中で上げたレベルや、クエスト達成が現実の成績に直結し、またその逆もある。レベル上げやクエスト達成よりも、ある種の縛りプレイばかりやっている「落ちこぼれ」新藤零央は、効率を追い求める生徒達と教師の行動に疑問を感じながらも、いつものように非効率な方法でゲームをやり込んでいた。周囲にバカにされながら…しかしそれも『3R』の行った大型アップデートで一変。今まで零央がやってきた縛りプレイに基づく戦果の数々が成績に反映。一気に有名人となった零央は戸惑いの中で、幼馴染である秋月沙耶と共に心からゲームを楽しむため、ギルドを立ち上げることを決意する。

正直な感想を言わせて貰うと、いわゆる「ご都合主義」で物語が構成され、主人公は物語の中でも使わせている言葉通り、棚からぼた餅状態でスターダムにのし上がって行くのは、あまりにも突っ込みどころが多すぎる。しかしその「おかしなポイント」に目を瞑り、読み進めてしまう奇妙な魅力がこの物語にはあって、結局最後まで読み切り、続きが気になるのだから不思議なものだ。

超鈍感主人公が転がり込んで来た特大の幸運に助けられ、次々と可愛いヒロインたちを味方につけ、新進気鋭のギルドを作り上げ、やがては退屈なこの世界のシステムを変えようとする…まとめるとこんな感じ。うん、気持ち良いほど努力してない!…かというとそんなこともなく、コツコツ地味に磨いてきたプレイヤースキルが終盤生きてくる。いや、確かにどんな雑魚モンスターでも千匹討伐するのは苦行だぞ。

虐げられてきた落ちこぼれが一発逆転する爽快感は伝わってきたものの、幸運すぎる…良い言い方をすれば努力が報われた形の零央ではあるが、一本筋が通っているかと思えば周囲の言葉に結構揺るがされたりと、もっとしっかりして欲しかったかな。それもまあ、最後にはリーダーシップを発揮していたので良しとしましょう。