飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? 9」感想

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? 9 (HJ文庫)

〈あらすじ〉
夏休みも半ば、猛暑に耐えられなくなった烈火は、皆とプールに行くことに。そして色とりどりの水着姿がひしめく中、ヒロインたちの壮絶な烈火争奪戦が幕を開ける――。他にも、軽文部の合宿で緑里と学校に泊まったり、妖怪の縄張り争いを桃音と鎮圧したり、皆で夏祭りの屋台や花火を楽しんだりなど、夏ならではのイベントが満載の1冊!

今回は「夏のイベント」に合わせ、既存ヒロインたちにスポット当てる短編だからニューヒロインは現れない、と思っていたらこの有様だよ! いや、分かってました。烈火がヒロインを助けないなんてあり得ないですからね。

ほんとこの物語。このスピードでヒロインが増え続けたら成立しないよなあ、と思っていたのにもう9巻ですよ。次の巻で二桁目。安定した刊行ペースもそうだけど、無茶苦茶な設定をここまで制御して、まとめ上げてることに感心する…とはいえ、流石にキャラクター紹介がないとヒロインの名前が頭の中でゴチャゴチャ混ざり合って、訳分からないことになる。特に後半加入のヒロインは思い入れもまだ強くないため、名前をなかなか覚えられない。そういう意味でも初期加入ヒロインは恵まれた環境で烈火に迫っているのですよ。まあ、なのに未だ落とせてないのはヒロインが駄目駄目なのか、烈火にその気がないのか。

物語初期からいる「ヒロイン」でありながら、これまで多くを語られなかったアール。ヒロインの中で一番烈火のことを知りながら、ヒロイン戦争の枠外にいるように思えるアールに関わる事件。ついつい「将来起こる、烈火を巡るヒロインたちの苛烈な戦争」のことを忘れてしまう。そういえばそういう設定のラノベだったんだよねえ〜(すっとぼけ)

烈火にその気がなければこの物語は終わらない。終われない。アールの言葉通り、アールを救おうというのならば、烈火は意中のヒロインを決めないとならない。しかし烈火にそれを決められるとは…今の段階では思えない。ない、ない、ない、が続いてしまう烈火の今。ヒロインは友達ではないんだよね、残念ながら。このままヒロインを助け続ければ、それだけ戦争は起こりやすくなる…が、彼女たちの「友情関係」を見ていると、それは直ぐに起こる訳ではなさそうだし、その光景が烈火を安心させて逆効果なのかな。とっとと決めろや、烈火!!