飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「公女殿下の家庭教師 謙虚チートな魔法授業をはじめます」感想

公女殿下の家庭教師 謙虚チートな魔法授業をはじめます (富士見ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
「浮遊魔法をあんな簡単に使う人を初めて見ました」「簡単ですから。みんなやろうとしないだけです」社会の基準では測れない規格外の魔法技術を持ちながらも謙虚に生きる青年アレンが、恩師の頼みで家庭教師として指導することになったのは『魔法が使えない』公女殿下ティナ。誰もが諦めた少女の可能性を見捨てないアレンが教えるのは―「僕はこう考えます。魔法は人が魔力を操っているのではなく、精霊が力を貸してくれているだけのものだと」常識を破壊する魔法授業。導きの果て、ティナに封じられた謎をアレンが解き明かすとき、世界を革命し得る教師と生徒の伝説が始まる!第3回カクヨムWeb小説コンテスト異世界ファンタジー部門大賞受賞。

前々から表紙イラストを見て気になっていたところ電子書籍版のセールをしていることを知って購入しました。正直、電子書籍も読み始めて一番助かってるのはゲリラ的に行ってるこの手のセール。メッチャ背中を押されてシリーズ買っちゃう。あれ?これ助かってるのか?(財布的な意味合い)

王立学校を次席で卒業予定も王宮魔法士の試験に落ちてしまったアレンは、恩師の計らいである人物たちの「家庭教師」をすることに。公爵家の娘・ティアと、彼女と姉妹同然に育ったメイドのエリー。家庭教師をして直ぐに二人の才覚に気付いたアレンであったが、ティアに関しては大きな壁にぶつかる。膨大な魔力を持ちながら魔法を全く使えない、という特異な状況にあるティア。王立学校に地力で合格・入学させるため、ティアの才能を開花させたいアレンは様々を方法を巡り奮闘する。

これは良い意味でとって欲しいのだけど、「1巻前半を読んだだけで2巻から始まるであろう学園編が楽しみでならない」という感想が出る。それくらいこれからが楽しみになる仕掛け「これからこんなキャラクターが登場しますよ」という伏線が散りばめられていてワクワクした。特にアレンの相棒にして王立学校首席卒業の「剣姫」リディアの本格参戦が待たれる。

という訳で1巻は準備編ということで(勝手に決めた)二人の美少女の家庭教師をしちゃう「年下キラー」ことアレン先生がキャキャウフフしつつ、時たまシリアスになったりと、派手さのない結構地味な展開となります。ティアとエリーは年頃らしく優秀でイケメンな家庭教師を慕い、恋してる感じがこそばゆい。そんな彼女らの言動を楽しんでいるアレンはロリコンさんと言われても仕方がない。あっ、でも実際歳の差は3〜4歳しかないのか。ティアとエリーはアレンを取り合ってキャッキャしてるのでたまにどっちが喋ってるか分からなくなる時があるので、もうちょい区別化あってもいいかも。

アレン、ティア、エリーと家族関係で複雑なところがあるので今回はそのわだかまり(特に美少女二人)が溶け、それと同時の魔法の才能も花開く、といった流れになっていて王道だな、と。これからは公爵領から王都に出ての学園編。伏線張ってたキャラクターたちが出てきて、アレン争奪戦が激化しそうだな。