飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「異世界、襲来 01 プロジェクト・リバース」感想

異世界、襲来 01 プロジェクト・リバース (MF文庫J)

〈あらすじ〉
突如、現代社会に現れたポータルから、異世界文明は人類への侵攻を開始。ドラゴンが飛来し、大魔術師が襲撃する世界へと変貌した。中学生の一之瀬ユウは国家プロジェクトの幼年従事者として、国防軍所轄のナノテクノロジー研究所に徴用される。彼は運命の導きにより、かつて国防の要であった人型戦闘機械『アスラフレーム三号』の継承者として選ばれる。それは『着装者三号』の愛称で親しまれ、日本に平和をもたらす救世主としてグッズ化、映像化もされるなど、社会現象になるほどの人気だった。大人も子供も憧れた彼はまさしく、ヒーローだった――。丈月城×しらびによる、ヒーローVS異世界の革命的戦記、ここに開戦!

皆さん、こんにちは。PS4最期の大作と言われている「ラスト・オブ・アス パート2」をおっかなびっくり進めているてりりんでございます。ああいう文明が崩壊した世界が大好きではありますが、私があの状況に置かれたら絶望して拳銃を口に咥えてしまいそうです。さようなら、世界。

では感想に。Twitterでの宣伝を見ていると、結構な売り出し方をしているし、物語の風呂敷も大きそう。イラストはしらびさんで、力も入っている。なので買いました。

読み始めての印象は世界観がゴチャゴチャしているというか……まあファンタジーなモンスターたちが地球を侵略しているのだからゴチャゴチャもするか、と思い直して進めていました。ただ最後まで読みにくさはあったなあ。でも同時にそのゴチャゴチャと詰め込まれた設定の面白さも感じられた。個人的には主人公が纏うフレームの設定関係は厨二病の心を熱くする。キャラクター周りではユウに対するアインの求愛とアリヤへの牽制が楽しい。

続けて2巻発売ということで、正直そこまで読まないと感想も定まらない感じ。なんせ終盤でスタートしたところあるからねえ。

「探偵くんと鋭い山田さん 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる」感想

探偵くんと鋭い山田さん 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる (MF文庫J)

〈あらすじ〉
新学期――俺は失敗した。 親の仕事が探偵だと口走ってしまったせいで、クラスメートから相談が持ち込まれるようになったのだ。絶版した小説の犯人当て、美術部で振るわれたナイフの謎、面倒なことになったと頭を抱える俺だったが――
「それさ、そもそも事件じゃないね~」
「多面的な考え方も取り入れたらどう? 戸村君」
何があっても山田姉妹は平常運転、鋭い推理でスパッと解決していく。最初は気に食わなかったけど、本気で推理する彼女たちは今では尊敬の対象だ。……が、話すときの距離、近すぎない!? 熱くなるのは分かるけど、これ完全に狙ってるよね!? 山田さんたちと俺の少し甘めな、学園ミステリーラブコメ

作者の玩具堂さん、勝手にMF文庫Jデビューの作家さんかと思っていたらスニーカー出身の作家さんでした。その程度の知識です。お名前は良くTwitterのタイムラインで見ていましたが読むのは今回はお初になります。

何だろう、すごく素朴な話でとても読みやすかった。大事件ではなく、ちょっと不思議な事件を探偵の息子である高校一年生の主人公と同級生の美少女双子姉妹が解き明かしていくお話。一話につき一つの事件が起こる形式で、三人それぞれの個性とバランスを活かしながら、謎解きをし、謎から解決までがパパッと早く至るので短気な僕もこれにはニッコリ。主人公と双子姉妹……特にクールな妹ちゃんとの関係が僕は気になって仕方ないのですが。

表紙イラストは双子の姉の方だけど、これは双子が探偵コスプレでも可愛かったような。そうです、僕は妹ちゃん派なのでした。まる。

「聖剣学院の魔剣使い4」感想

聖剣学院の魔剣使い4 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
第〇三戦術都市での任務から帰還した第十八小隊。〈六英雄〉の聖女を滅ぼし、女神ロゼリアに託された〈魔剣〉の使命を思い出した最強魔王レオニスは、決意を新たに魔王軍の再編を進めていた。そんな中、第〇六戦術都市〈アレクサンドラ〉を迎え、〈聖剣学院〉では大規模な学園祭が催されることとなる。あわただしくコスプレ喫茶の準備に追われるレオニスたち、「レオ君も着るのよ、きっと可愛いと思うわ」「なんでだ!?」アルバイトにいそしむシャーリ、「魔王様、おいしいお菓子が焼けました!」。だが、祝祭に沸く学院都市に、一〇〇〇年の時を超え、永久凍土で発掘された〈魔王〉が運び込まれようとしていた――!

変わらずの読みやすさというか、物語への没入感の高さは素晴らしいねえ。巻を重ねるごとに楽しさ・面白さが増しているこの感じ。ショタ魔王さま、今回も大活躍(暗躍)でした。

表紙になっているシャーリ登板回。同じレオニスの臣下として寵愛を受けているリーセリアに嫉妬するシャーリ可愛い。お菓子教室に通い現世に適応しているシャーリもアレだけど、ブラッカスさんは咲耶に完全犬扱いされてても満足度高いの、それでいいんか。

シャーリ登板回(?)と言いつつも、レオニスを囲う、あるいは囲っているリーセリアを始めとするヒロインズもグイグイ前に出てくるので出番は控え目である。エルフィーネの姉ちゃんが発掘したのがまさかの八魔王の1柱という。良くよく話に出てくる竜の魔王さまは氷の檻に閉じ込められて封印されていたけれど、レオニスに反応して暴走、対決と。陰謀蠢いてる感じがして燃えますね。ラストのあの人の登場は物語が本格的に動いていく感じがして好き。

好きといえばレオニスの魔王バージョン。部下の前に現れて魔王らしく振る舞う姿と学園でリーセリアたちに揉みくちゃにされる姿とのギャップが好きなことに今回良く気づきました。(笑)

「英雄教室の超越魔術士 〜現代魔術を極めし者、転生し天使を従える〜」感想

英雄教室の超越魔術士 ~現代魔術を極めし者、転生し天使を従える~ (MF文庫J)

〈あらすじ〉

魔術エリートや貴族が通うカルグランデ魔術学園。
そこは国家兵力を担う最強の才能が集う箱庭――魔術原理主義の世界。 かつて別の世界を救って命を散らし、この世界に転生した天才魔術士・ユウマは、とある目的のためこの学園にトップで入学する。 新時代の英雄候補と称されたユウマは、規格外の実力で学園の頂点に君臨しつつ、ブラコンで天才な義妹と甘やかしの激しい天使な義姉との幸せな日々を過ごしていた――だが、魔界へと課外実習に訪れ、事態は急転する。 世界の“悪意”が大切な姉妹に牙を剥いた時、至高の現代魔術士が異世界で磨き抜いた真の実力を解放する――! 転生魔術士の新たなる“最強×無双”学園バトルエンタメ!

本作を読んでいたら嫁さんが「あっ……月夜涙さんの作品読んでる」と言ってきたので有名な方なのかと聞いたらWEB小説系の作家さんなんですね。今年になってからラノベ戦線に復帰したのでここ最近の作家さんの名前がまだまた分かっていない。

トルエンタメ、ということで、まあその通りの内容でした。ただ1巻ということもあり、学園生活はスタートしたばかりで、タイトルのような「英雄教室」になるのはこれからなのかな。現代でも強力な魔術士だったユウマは転生した世界でも超優秀な魔術士として成長していき、やがては英雄と呼ばれる者になっていく物語。元の世界に残した愛する姉と再会するため、貪欲に魔術の力を求める姿は「英雄とは……」ということを考えさせられるが。

転生した世界ではユウマは病的なまでに慕う義妹のファルとの関係は共依存状態でかなり危うい感じがする。またユウマの召喚獣として降臨した姉にして天使・イノリもまた溺愛する弟のためにどんな無茶もしそうで危険な香りが。この強烈な姉妹に挟まれて、一見仲良さそうな三人なんだけど、実は色んな感情が乱れ狂う家族という。特にファルの「ユウマに求められる理想の妹」を演じなくなった、あるいはユウマにバレた瞬間が怖いわ。イノリに対する嫉妬も。バトルや世界観以上にこの三人の狂気の関係をクローズアップして書いて欲しいなあ。(願望)

「ライアー・ライアー2 嘘つき転校生は小悪魔先輩に狙われています。」感想

ライアー・ライアー2 嘘つき転校生は小悪魔先輩に狙われています。 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
決闘で等級を決める学園島で、史上最速の学園島最強(偽)に成り上がった俺、篠原緋呂斗。姫路らの力も借り、強敵・久我崎との死闘も切り抜けた。でも“偽りの最強”である俺に平穏はない。英明学園の伝統イベント・区内選抜戦は、一週間で生徒総数9000人が連戦で最後の一人になるまで続く鬼サバイバル。最強の座を盤石にするためにも戦略を立て準備は万全、のはずだった。だが、不穏な動きを見せる“小悪魔”秋月乃愛のせいで、俺の行動は全て先読みされてしまう。これは敵の不正のせいなのか?OK、ならば俺に不正で勝負を挑んだことを小悪魔に後悔させてやろう―!

バトルロワイアルというと、暫く前に「フォートナイト」にハマっていたのですが、ついぞ最後まで生き残ることなく引退しました。反射神経死んでるので超高速建築バトルについていけませんでした。本当にありがとうございました。

さて感想へ。校内で絶対的エースを決めるバトルロワイアル戦となる今回のお話。なんとか戦いを挑まれないよう、ズルをしていたらそれを上回る不正手段を「敵」に使われ大ピンチ……かーらーの、それを更に更に上回る騙しをして華麗にひっくり返していく。相変わらずの気持ち良さ。

今回、敵役となるぶりっ子の乃愛。底意地の悪さを持つキャラでとても嫌な感じでしたが、敗れた後のデレっぷりは一体。ヒロインズ入りするんすね。更紗と姫路のダブルヒロインに割って入れますか!

「ライアー・ライアー 嘘つき転校生はイカサマチートちゃんとゲームを制するそうです。」感想

ライアー・ライアー 嘘つき転校生はイカサマチートちゃんとゲームを制するそうです。 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
学生同士がランクを決める決闘を繰り広げる学園島。俺、篠原緋呂斗は国内最難関の学園島編入試験で歴代トップの成績を叩き出し、昨年度の絶対王者・彩園寺更紗を転校初日で陥落させ、学園島史上最速で頂点に君臨する“7つ星”に成り上がった。―ああ、もちろん、そんなのは全部嘘だ。大事をやらかした俺が学園島で目的を果たすためには、嘘でもトップに君臨し続けなきゃいけない。そのためなら俺を主人として補佐する美少女メイド姫路のイカサマも、実は偽お嬢様だった彩園寺との共犯関係も何でも使ってやる。では、世界を制する嘘を始めよう。

表紙のイラストが可愛くてずっと気になってました、という一目惚れしたような購入理由です。ラノベあるあるです。kinomiさんのイラスト素晴らしい……口絵がもっとあったら更に素敵でした。

イラストの感想はここまでにして内容について。タイトル通りの「嘘」で勝負、そう騙しやいのゲーム戦。力と力のぶつかり合いではなく、頭脳戦。なので油断して読んでると話に置いてかれるため集中力高めて読みましたよ。

頭脳戦で競い星を奪い合う学園都市を舞台に本来なら最弱なはずの転校生・篠原が、ちょっとした事故から最強の美少女・更紗を倒してしまったことから、「偽りの最強」を演じないといけないことになる……というお話。最初はなんでそんなことに? と思ったけれど、読んでいく内にそれぞれのキャラクターの目的や、周囲を騙している嘘がポツポツと明かになっていき、なるほど、この最強の座を守らないといけないな、と思ってくる。

それと同時に最弱なのに最強の座を守るの無理ゲーかと思うのだが、様々な思惑から篠原をフォローする補佐チームがつく。裏ではチート行為も行う勝つためならなんでもやるスタイル、嫌いじゃないです。補佐チームのメンバーで篠原のメイドとなるこれまた美少女の姫路は表紙になってるヒロインなのだけど、登場が更紗より後なのでインパクトで持ってかれてる感が。普段はクールだけど完全な素ではなく、終盤の不測の事態が発生した際の動揺など、未熟な部分も見えてくる。

ゲーム戦も読み慣れてくると楽しく最終的にここ勝負、どうひっくり返すのか待ち遠しくなる。終盤で見せた篠原個人の才覚もあり、真実の最強を目指す展開は楽しめそう。