飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「白銀竜王のクレイドル」感想

白銀竜王のクレイドル (HJ文庫)

白銀竜王のクレイドル (HJ文庫)


「僕は女の子が泣くのも、ドラゴンが悲しむのも見たくないんだよ」

またしても世に出るのが10年遅かったファンタジー小説に出逢ってしまった。
剣と魔法と竜のいる世界。魔術師のイルミがドラゴンに襲われていた銀髪の美少女のキャロライナを助けるも、イルミが殺してしまったドラゴンには子供がいて、責任を感じたキャロライナがその子ドラゴンを育てることになることから物語が始まる。はっきり言って、いまどき珍しいくらい王道すぎる王道ファンタジー。
イルミがキャロライナをからかい、むきになってイルミに突っかかるキャロライナの可愛らしさがこの作品の一番の魅力かな。敵であるイルミの兄であるジョスカンとの戦いや、イルミとキャロライナの過去の話が小さくまとまっていて、特に意外性もなくサラリと終わってしまうのがなんとも。物語全体を通してとにかく『地味』な印象は抜けなかった。
ノベルジャパン大賞作品ではあるけど、出版に当たって続巻ありに修正したのか。物語の風呂敷を広げて終わったので次巻に期待したいです。