飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「魔王っぽいの!」感想

魔王っぽいの! (ガガガ文庫)

魔王っぽいの! (ガガガ文庫)


和む和む。『邪神大沼』が完結してガッカリしていた身としてはギャグ主体のライトノベルが出てくるのは歓迎です。内容の方も主人公がボケツッコミの両方をこなす性格もあって、主人公を中心にキャラクターの会話がポンポン弾んで非常に楽しかった。

主人公の高校生、颯太が放課後の教室で出逢ったのは『魔王』だった…しかしこの魔王マノ、見た目は可愛い女の子な上にRPGゲームで魔王が言いそうなセリフをたどたどしい口調で言うため『魔王っぽい』ところがない。更には颯太がマノによって『勇者』に設定されてしまうのだが、エロゲのやり過ぎでエロゲ脳の颯太を勇者に選んだのは完全にミス。勇者颯太と魔王マノとのほのぼの学園コメディ。

魔王マノがとにかく可愛い。天然の入った『魔王』は魔王っぽいことを必死でやっているのだがどれも空回りして魔王っぽくない。だがそれが良い。
マノの手によって勇者となり『勇者脳』となってしまった颯太。他人の下駄箱を勝手に調べたり、清掃用具を武具のように装備したりとゲームの勇者にありがちな行動を強制的にとってしまう颯太ではあるものの、『勇者脳』よりも『エロゲ脳』が優ってマノや幼馴染の奈尾、それにマノが召喚した美少女型スライムにセクハラ発言をし放題。駄目だこいつ、早く何とかしないと。そもそも魔界からやってきたマノの目的は『異世界の人々に魔王と勇者の物語を語り継がせる伝説を創る』ことで、魔王として勇者に倒されるため颯太を鍛えようとするも、颯太の持ち前のエロゲ脳のせいで話が脱線していくグダグダ感が堪らない。最後は『大魔王』の魔王査察に対して勇者と魔王が力を合わせて乗り越えようと奮闘する。勢いのまま読ませてきたので最後に綺麗に締める話を持ってきたのは良かった。

これで後50ページ続いていたら流石に飽きてしまうかな。次の巻があるのなら今回と同じページ配分でお願いします。