飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「明日から俺らがやってきた」感想

明日から俺らがやってきた (電撃文庫)

明日から俺らがやってきた (電撃文庫)


第18回電撃小説大賞電撃文庫MAGAZINE賞作品。
や、読みやすいね。このお手軽さが堪らなく良い。

自分の進路を決定しなくていけない高校三年生の主人公・桜井真人。推薦枠でさっさと入学を決めて大学デビューをするか、受験を頑張り就職に有利な大学を目指すか。推薦と受験の二択の間で揺れる真人の元にやってきたのはそれぞれの選択をした未来の自分。推薦を選択した未来の自分は大学デビューして青春を謳歌したものの遊びすぎたせいで就職も出来ず生活苦。受験を選択した未来の自分は就職は出来たものの大学でも会社でも女性に縁のない生活を送っている。二人の自分が己の人生の選択を否定し、更にはどちらもろくでもない人生であるため余計に悩む羽目に。そんな真人と同じように進路で悩む美少女同級生・高瀬涼と交流を深めたことから『自分を変えよう』と動き始める。

読んでいるとこう反省しないといけない気持ちがムクムクと。自分も過去の自分に警告しに行きたいよ。
頭の上に浮かぶ『天使』と『悪魔』のように『女の子と遊ぶ青春の人生』か『就職して生活安泰の人生』かを囁かれる真人ではあるものの、二つの人生の内容を知ると絶望しかない。どちらの人生も真っ平ゴメンだと目標を掲げて未来を変えようと動き出す真人の奮い立つ想いは当然のものかと。加えて『氷の女王』と呼ばれる涼と知り合い、二つ名とは違う冗談の分かるイイ娘であることが分かると、彼女と仲を深めるために青春街道まっしぐらになった時点で二つの人生とはだいぶ溝が開いたよね。けれども、『推薦』と『受験』の未来がいるなら涼とともに歩む人生の選択もいて、これもまた絶望を告げてくる。しかしそれにもめげずに自分の選択を貫いて変わった真人は豊かな人生を送るに値する人間になった。俺も俺にこういう人生送らせてえ…(泣)

続きが出るのなら是非妹ちゃんを活躍させてくださいお願いします!