飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「アイドライジング! 4」感想

アイドライジング!〈4〉 (電撃文庫)

アイドライジング!〈4〉 (電撃文庫)


読むとこんなに心がぽかぽかしてくるラノベもそうそうないです。
モモちゃん、オリンちゃん、そして今回メインであるエリーちゃんと、みんなが全開で話を盛り上げてくれた。

年の瀬も迫り、シーズンオフとなったモモたちはアイドルの保養地である温泉に出掛けることに。保養地には数多くのアイドルが集まっており、温泉に浸かりながら暫しくつろぎの時。と、そんな時にアイドライジング新人賞の報が入り、ノミネートされたモモは新人賞を賭けて戦うことになる。対戦相手である同じ新人のミジョウ・レンゲとの相性が悪いモモは、エリーの思いがけない提案により修行をつけて貰えることになるのだが、エリーと室長ユウガクの意外な関係を知ってしまったことで、エリーとの仲に亀裂が生じる。エリーと険悪になる中、モモは新人賞バトルで勝つことが出来るのか…。

モモの更なる成長と、女王エリーというアイドルの本当の姿を見ることができたお話。そして年末と言うこともあり、ここで物語も一区切り。
温泉宿に旅行に行くと言うことで、のっけからフルスロットル状態のモモ。サイさんへのセクハラ攻撃が光る。アイドルとプロデューサーの恋愛結婚の話を聞いて憧れを抱くモモに「お兄さんは許しませんよ!」と思わず独言をぶつぶつ発してしまったが、相手がサイさんなら認めます。寧ろ積極的に。『アイドライジング!』に欠かすことの出来ないアイドルといったらオリンちゃんしかいない。モモの動きを先読みしていたとしか思えないオリンちゃんは当然の如く温泉にいます。ほんと口では何だかんだ言ってるけどモモが気になって仕方ないオリンちゃんは素直じゃないなあ。だがそれが良い。自分のためであるが、モモのためでもあるレンゲとのバトルにはオリンちゃんの今後の可能性が満ちていた。オリンちゃん大好きや!そして相変わらずの行動に出るタキの餌食になってしまったオリンちゃんもまた良いものです。

後半から新人賞バトル、それとエリーとユウガクの複雑な『親娘』関係を巡って一気にシリアスに。父ユウガクに見出されたモモに嫉妬する娘エリー。であったが、モモと真っ正面からぶつかり心をさらけ出すことで打ち解け合っていく様を見ていると、女王エリーの堅物なイメージが消えて好感度がアップ。モモの宣戦布告を受け入れるエリーの心境の変化を美しく感じるなあ。

新人賞を見事勝ち取ったモモ。次回からは新型バトルドレス導入ということで更なるモモのパワーアップに期待したいところ。