飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「いるか寮の少女たちは恋できない」感想

いるか寮の少女たちは恋できない (電撃文庫)

いるか寮の少女たちは恋できない (電撃文庫)


この鉄板ラブコメ展開が素晴らしいと僕は思うのですよ。
確かに目新しい設定・展開はなかったけれども、何も考えずに頭の中空っぽにして読めるこの軽いノリが僕は好きです。

主人公・小熊浩一が転入した私立浜之宮学園。その学生寮である『いるか寮』で新しい生活を始めるため足を踏み入れるものの、住んでいるのは女の子ばかり。しかもその誰もが『恋愛適正度』が極端に低い男性に何らかのマイナスな想いを抱える女生徒たち。『恋愛適正度』に問題はあるが、美少女揃いの彼女たちと一つ屋根の下で始まる心躍らせる…ことなどできない『女性恐怖症』の浩一。女性に触れられると蕁麻疹が起きて、果ては気絶してしまうほど重度の『女性恐怖症』である浩一にとって女性との生活は死活問題。しかし姉と姉の親友である理事長の陰謀によって、浩一と彼女たちの『矯正生活』がスタートしてしまう。

『男性恐怖症』『女性恐怖症』『学生寮での共同生活』と定番過ぎるラブコメ設定をこれでもかと使って展開していく。男性が苦手な如月美空を始めとする女性キャラは『浩一=男』と一緒の生活を始めは拒否するツンツン具合。がメインヒロインであり浩一と行動を共にする機会の多い美空が彼の人柄に触れ、認めるまでが今回の流れである。ラブコメ系主人公の特殊自動スキル『ラッキースケベ』をフルに活かして美空とコミュニケーションを取る浩一が妬ましい。けれども『女性恐怖症』の彼はそのたびに意識を吹っ飛ばしてしまう情けない面ばかりの浩一ではあるが、美空を守ろうとする姿はプラス判定。ヒロインは美空ばかりになってしまったが、今後は順にヒロイン攻略といった流れになるのかな。しかし1巻からシンクロで二人にコミュニケーションを取らせるラノベって…(笑)