飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「エスケヱプ・スピヰド 参」感想

エスケヱプ・スピヰド 参 (電撃文庫)

エスケヱプ・スピヰド 参 (電撃文庫)

〈あらすじ〉
量産型鬼虫たちが狙う第三皇女のクローン鴇子の記憶。それは、鬼虫の要を成す金属“星鉄”の存在だった。
九曜たちが手にすれば、今は亡き鬼虫シリーズを復活させられるかもしれない。
だが、量産型鬼虫たちが手にすれば、彼らの力は鬼虫と並ぶ。
待ち受ける先にあるのは、闇か光か──。
二つの側面を併せ持つ金属“星鉄”を巡り、新たな戦いが加速し始める。
その頃尽天の町では、《蜂》と《蜻蛉》の機体、そして九曜の師であり好敵手である竜胆の体が、海から引き上げられようとしていた──。
最強の兵器・鬼虫たちが繰り広げる神速アクション、シリーズ第3弾!

『鬼虫』とはいったい何なのか?
一騎当千の兵器…それ以上のことは『鬼虫』本人である九曜も分からない。巴の話を聞いていると、正確には自分の存在そのものに興味がなかったように思える。

湧き上がった疑問。それもまた九曜の成長が成したことなのだろう。
『鬼虫』を形取る上で欠かすことのできない『星鉄』を巡り争いが巻き起こる。九曜たちと再び戦乱を呼び込もうとする勢力の死闘。『鬼虫』に匹敵する力を持つ敵との戦いとあって緊張感がある。戦闘用にフル改造された菊丸も活躍してて輝いていた。全力を尽くした戦いではあったものの、失ったモノ・奪われたモノが多くこれが今後相手の戦力増強に繋がるかと思うと、井筒の復活は貴重な戦力になる。順々に『鬼虫』が蘇っていくのは面白い展開だ。

戦いが激しくなる分、前半の日常生活の穏やかさが際立つ。
菘の再登場はひねくれ者の鴇子か素晴らしい反応を引き出したと思う。叶葉、鴇子、菘の三人娘これからもかしましくやって欲しい。