飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「学戦都市アスタリスク 04. 追憶闘破」感想

学戦都市アスタリスク 04. 追憶闘破 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
ついに時間制限付きという弱点がバレてしまった綾斗。ユリスと対策を練りながらも、姉・遥の手がかりを得るべく《悪辣の王》ディルクに接触する。そこで、綾斗は衝撃の真実を突きつけられることになる。立ちすくむ綾斗に手を差し伸べたのは、誰より綾斗と遥のことを知る紗夜だった。紗夜の言葉に綾斗は再び前を向く。「……よし、それでこそ私の綾斗だ」そして、幕を開ける準々決勝。綾斗たちが対するは界龍の双子、《幻映霧散》黎沈雲と《幻映創起》黎沈華。星仙術のエキスパートである二人に綾斗たちは苦戦を強いられる。一方、紗夜・綺凜タッグは、因縁の相手、エルネスタ・カミラ組と相対し――? 最高峰の学園バトルエンタ、勢い加速する第4弾!

見せてやりましょう!
幼馴染の実力って奴をねっ!(小声)
四巻目にしてようやく幼馴染の紗夜が表紙を飾る。小柄な身体にゴテゴテした武装…これは素晴らしい。

イレーネたちに辛くも勝利した綾斗&ユリスのペアであったが、綾斗の超人的な力にはタイムリミットがあること、また力を使い終えた後の反動で動けなくなることが周囲にバレてしまう。それでもユリスと息のあったコンビネーションを披露し勝利を手にして行くのだが、二人の前に立ちはだかるのは小細工の通用しない敵…双子の黎兄妹だった。また姉を目撃したことのあるディルクの証言に打ちのされ、ショックを受けた綾斗。そんな彼の心を癒すのは、綾斗の過去を知る幼馴染の紗夜だった。

タイムリミットという最大の弱点をどうカバーするのか、またどう克服していくのかに焦点の当たる今回のお話。綾斗の姉である遥の消息に関する情報もチラつき、綾斗の心はグラグラと大きく揺れる。相棒として辛辣であるが心強いユリスに支えられ、紗夜には動揺する心を優しく沈められ、ひとりではまだまだ何も出来ないことを綾斗は知って行く。だからこそ、綾斗はユリスを、紗夜を、仲間たちの信頼に応えるように立ち塞がる大きな壁を壊す。綾斗の成長は止まらない。

ある意味戦いの行く末を読みやすい綾斗&ユリスのペアとは違い、紗夜&綺凛はリムシィたちにどう立ち向かうのか。紗夜にもプライドがあり、負けられない理由がある。『鳳凰星武祭』も佳境を迎えている…ひとつのイベントでやはりこれだけ尺を消費しますか。この熱いバトルの続きを早く読みたい。