「俺の天使は恋愛禁止!」感想
- 作者: 美月りん,亜方逸樹
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/01/10
- メディア: 文庫
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〈あらすじ〉
全国民がはっきりとランク付けされている格差社会で暮らす俺、高校二年の佐藤永久。
なんの取り柄もない俺は、もちろん最底辺のランクCだ。
そんな俺たちが決して近づけない、華やかなアイドル(ランクA)の世界。
けれど運命の歯車は不思議だ。そんな天使のような彼女たちが、いま俺の目の前に──。
憧れのアイドルグループとの、羨ましすぎる日々を描く、甘々の恋愛青春物語。
久しぶりに出会ってしまったぜ…あらすじ詐欺ってヤツによぉ…(笑)
正直表紙・口絵を見てあらすじを読んだ時は「落ちこぼれの主人公が偶然から人気アイドルグループとお近づきになり、キャッキャウフフする」ラブコメかと思ってました。内容も非常に軽いモノを想像していただけに、意外だった。いや、でも面白かった。
人がランク付けされる完全格差社会の日本。「落ちこぼれ」であるCランクの烙印を押された男子高校生・永久とそのクラスメイトたちは上位ランクの生徒たちにバカにされながら諦めと共に日々を送っていた。
そんなある日、永久は運命の出会いを果たす。転校生・ソフィア。ロシア人とのハーフである美少女のソフィアはAランク並の容姿と音楽の才能を持ちながら、何故かCランク。クールで近寄り難いソフィアであったが、永久は困っていた彼女を助けたことから仲を深めていく。
そのソフィアに目を付けたのが、人気アイドルグループ『七大天使少女』のプロデューサーであり同級生のトビオだった。永久と因縁のあるAランクのトビオは、ソフィアをどうやってでも引き込むため、彼女の過去を暴き始める。
こう自分であらすじを纏めると、公式とだいふ違うなあ、と。話に沿ってるのは僕がまとめた方なんだけどね。
「ラブコメ」というよりも「ボーイミーツガール」の青春モノとの中間辺りかな?
ヒエラルキー…人間が人間に勝手に貼り付けるレッテル。そしてこの世界の人間はそのレッテルを見て、相手の全てを分かったかのように話す。Cランクの少年・永久は持ち前の正義感を武器に、そのレッテル貼りに抗い続け、上位ランクの人間だろうと何だろうと真っ正面から感情をぶつけて戦っていく。その姿勢はかなり好感が持てて、ヒロインよりも終始永久の語りが多いせいか結構好きになるんだよ。
友人として付き合ってみれば表情豊かで可愛らしいソフィアに永久は惹かれていく。そんなソフィアに持ち上がったアイドルデビュー。レッテルに拘るトビオとの衝突を通して、トビオがいかに真剣かを知り、またソフィアもレッテルに苦しめられてきた過去を背負っているため、全てを吹き飛ばすにもアイドル道に躍り出る。終盤からようやく『七大天使少女』と合流して口絵と見比べる作業が出来るのだけど、その頃にはこちらは永久とトビオの熱い友情に燃え始めているのでアイドルどころじゃねえわ!(笑)
これ本番は次の回からだよね。しかしソフィアを背中を押したのは良いが、アイドルは恋愛禁止ですから永久さん…残念!