飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「東京侵域:クローズドエデン 01.Enemy of Mankind (上) 」感想

東京侵域:クローズドエデン 01.Enemy of Mankind (上) (角川スニーカー文庫)

〈あらすじ〉
“東京”が変貌して2年―高校生の秋月蓮次と、大人気アイドルの弓家叶方には二人だけの秘密があった。二人は“臨界区域・東京”に侵入する“侵入者”だったのだ。エリア限定の特殊能力“注入”を使って探索を続ける蓮次と叶方。敵対する政府機関“救務庁”と、エリア最悪の怪物“EOM”との三つ巴の状況で、蓮次と叶方は誓いあった“約束”を果たすことができるのか!?人類vs.人類の敵―希望と絶望のボーイミーツガール始動!!

発売から少し遅れてしまいましたが、岩井恭平さんの新作を買い逃していたのに気づいたので買ってすぐ読みました。イラストはしらびさん、素敵ですねえ。(とろける)

謎の霧によって東京を奪われて2年が経過していた。東京に……霧の中に残された人たちは一体どうなったのか?高校一年生の秋月蓮次は2年前、東京で大切な幼馴染を目の前で失った。彼女の名前は夢衣。彼女を取り戻すため、東京に違法に入る『侵入者』となった蓮次は、同じような境遇の弓家叶方とコンビを組み、東京探索を繰り返していた。東京、そこは人類に牙を剥く化物……EOMが跋扈する街に変貌。政府機関の救務庁とも対立しながら、蓮次たちは大切な人を救い出すため、あるEOMを狙うのだが……。

二人を苛むのは「後悔」という感情。大好きな幼馴染の少女を東京で失い、街ではその責任を問われ、孤立しながらも戦う蓮次。大嫌いだった愛する弟を東京で失い、芸能人となりスポンサーを得て武器と資金を手に戦う叶方。二人は大切な人を救う目的のために「信頼」し合い、約束を結び、変貌した東京という限定されたエリア内だけで使える力を行使して、少しずつ前進し、謎の現象を引き起こしたと思われるEOMを倒そうと死闘を繰り広げる。

岩井恭平作品なので、読みやすいと思って読み始めたのだけど終盤まで「読みにくさ」を感じてしまった。世界観も設定も覚えにくいものはないはずなのだけど、序盤からキャラクターが多かったり、蓮次と叶方を苦しめる過去と、絶望と戦う現在を行ったり来たりする場面展開の切り替えが読みにくさに繋がっているのかな。加えてキャラクターそれぞれが暗く重いものを背負っていて、そのフラストレーションが堪らない感じ。でもこれは物語が進めば解消されそうだ。

化物がドロップする奇妙な薬品を体内に注入することで肉体や感覚を強化したりする設定は面白いけど、何でそんな便利なものを化物たちが落とすのか具体的に見えないのでどうにも腑に落ちない。この辺りも明らかになるとは思うので。とにかくまだ1巻なので面白さを評価するのは難しいなあ。下巻が出てから読めばスッキリしたんだろうけど。(笑)
気になる引きだったので続きは読みたい。