飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ヤンキーやめろ。メイドにしてやる」感想

ヤンキーやめろ。メイドにしてやる (講談社ラノベ文庫)

〈あらすじ〉
俺の名は久世太一郎。十七歳。我が家は代々、執事の家系で、俺も執事として、日本有数の名家の次女、麻白お嬢様に仕えている。ある日、新たな専属メイドを探すようお嬢様から仰せつかったが、気難しいお嬢様のお眼鏡にかなう者はなかなかいない。そんな中、俺はなりゆきで、ヤンキー少女ハナのピンチを助け、妙に懐かれてしまう。ハナは少々荒っぽいが、根は真っ直ぐで、何より義理堅い。そこで俺は彼女を、お嬢様のメイドに勧誘した。「メ、メイドって…ケチャップで萌え萌えキュンの…?」「献身的に主の身に回りの世話をする、本来の意味でのメイドだ」しかし、ヤンキー少女ハナと麻白お嬢様との相性は最悪で…!?ヤンキー少女×執事×お嬢様の三角ラブコメ!?

ヤンキーって死語じゃなくてまだ存在するんですかね?
中高校生というある種のファンタジー的生命体と縁遠くなってから久しいので、ヤンキーとかもう絶滅しているのではないか。「
だってヤンキーって「今日から俺は」みたいなのでしょ? え? 違うの!?

ヤンキー、メイドになるってさ……親父の借金のかたにされそうになっていたヤンキー少女・ハナと、執事オブ執事の少年・太一郎、そしてちょっと(?)意地悪な、でも根は良い子なお嬢様・真白。この三人が織りなすラブコメ、というよりも人情物語。

ヤンキーとメイド。一見、食い合わせが悪いように思える二つの属性だけど、義理人情に厚いハナの場合、太一郎がその才能を見出した通り、確かに向いている。本物のメイドに必要なのは信頼と忠義。あれだ、ヤクザと一緒だ。この作品、任侠物ラノベまである。

ハナと太一郎と真白、ページ数がそう多くないこともあって、読みやすく纏まっている分、この三人の関係性を掘り下げるまで至っていないのでそれは続きが出てからの楽しみかな。最後のハナの大立ち回りの後にもうひと暴れする障があっても良かった気はする。それとこの三人の会話の掛け合いはもっと読みたい!