飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。5」感想

勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。5 (富士見ファンタジア文庫)

勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。5 (富士見ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
勇者試験直前に魔王が倒されてしまい、勇者になれなかった少年ラウル、父親である魔王が倒されて居場所が無くなった魔王の娘フィノ、そしてラウルの勇者予備校時代のライバル・アイリの三人は、王都にあるマジックショップで一緒に働いていた。
そんなとき、突然お店にやってきたライバル店アマダの新店長。
新店長就任の挨拶かと思いきや……
「率直に言おう。フィノ嬢……君に結婚を申し込みたい」
「えっ……?」「なっ……!」
フィノの身柄を賭けて、レオンとアマダが全面対決!?
勇者と魔王の卵が織りなす、ハイテンション労働コメディ!!

Wコミカライズおめでとうございます!
加えてアニメ化企画進行中ということでこれもおめでたい。正直予想外というか不意打ちというか…驚いていますが、嬉しいニュースですね。
この作品の感想を書くのはこれが初めて。とはいっても『このライトノベルがすごい!2013』の新人賞作品紹介で書かせて頂いているので真っ新ではないけれど。とにかくこの作品に対して言いたいことは「誰にでも呑み込める作りのライトファンタジーの良さ」と「元気いっぱい頑張るフィノの働く姿」を見て欲しいということです。

フィノに降って湧いた「結婚話」はレオンとアマダの『メイド喫茶』対決に発展。フィノを奪われたくないラウルたちレオン勢は一致団結してこの苦難を乗り越えて行く。
しかし題材は『メイド喫茶』ということもあり、フィノ、アイリ、セアラの美少女三人娘の活躍が光る。メイド衣装は副店長提案のモノが非常に気になるのだけれども、セアラさんが怖いのでこれ以上突っ込むのは止めよう。アイリのぺたんぴたんぺったん娘はアレだ、いろいろな需要を生むと思うよ。フィノのロリ巨乳は反則だろ。
そんなこんなでアマダ側の妨害工作にも負けず、オムライスを作るため材料探しに大冒険してしまうのが。戦闘力のやたら高いマジックショップ店員さんたちにかかれば何てことはないんだぜ。

何に対しても一生懸命向き合って全力で挑むフィノの料理も接客も心を暖かくしてくれる力が込められていると思う。自覚なくそれが出来るのがフィノの強み。そんな鈍感娘でもラウルとの関係には気恥ずかしいものがあると感じさせる描写は良いよね。かと思えば、全てに決着がついて、結婚の意味を知ってラウルに投げかけたのは親愛の意味を込めての「ラウルと結婚する」だからなあ。まだこのお子ちゃまに恋愛は早いようですラウルくん。