飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?5 鋼の墓所」感想

なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?5 鋼の墓所 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
英雄シドの剣と武技を継承し「真の世界を取り戻す」決意をした少年カイ。切除器官を取り込み、他を圧倒する幻獣族の英雄ラースイーエによる世界輪廻の再現をギリギリで阻止。だが、彼らを待ち受けていたのはウルザ連邦への瞬間転移、そして正史にも存在しない第六の種族・機鋼種との遭遇だった。新たなる事態に直面したカイたちが、再びラースイーエの企みを止めるべく休む間もなく作戦を開始。そんな彼らに接触してきたのは、悪魔族の次席ハインマリル。幻獣族の暴走を止めるべく他種族が集結していくなか、少年の知る正史とはまた別の、世界の真実が迫っていた。

やったー! ハインマリルが仲間に以下略。
ファンタジーバトルからカイの異種族ハーレムものに変わりつつあるような気がする「なぜ僕」です。三人娘がキャイキャイとラノベ主人公・カイを取り合う様に1巻の緊張感溢れる空気感どこいった? と言わざるおえないが、それはともかく相変わらず安定感のある楽しさでした。

更に冥帝が復活し、鏡光と組んでラースイーエに挑む激アツな展開に。人間サイドの勢力がどんどん増しているにも関わらず「機鋼種」の上位種は英雄級よりも強いという。敵の強さのインフレ大事。

全ての謎はシドに収束していく感じで、あと気になったのはジャンヌとカイについている預言神はちょっと俗っぽい感情を抱いているようで全面的に信用していいのか分からん。シド勢の中でテレジアさんだけ合流してないけど、キャラ多いから忘れられる前に絡んできた方が良いぞ。

「お前らどれだけ俺のこと好きだったんだよ!」感想

お前らどれだけ俺のこと好きだったんだよ! (GA文庫)

〈あらすじ〉
「俺を側に置きたい?…何故だ!?」初めての恋人に僅か一週間でフラれた芦宮隆人は、かつて交流のあった学園のカリスマ、才媛の後輩―月ノ瀬白雪に秘密の部屋へ誘われる。(コイツ、まさか俺に気が―!?いや、単にからかうつもりか…!?)失恋をイジられてなるものかと身がまえる隆人。かたや、隆人に恋人ができたショックで寝込むまで己の恋心に気づかなかった白雪は、素直になりきれず、隆人から告白させようと恋の駆け引きを仕掛けていた!!(失敗したぁあ。わたしのばか―!)白雪は隆人へと迫るが、恋愛経験と知識に乏しく気づかれない!?恋愛に疎過ぎる才女たちとの駆け引きラブコメ『告白待ちバトル』開幕!

GA文庫の新刊情報公開が早いので随分と前に購入予約しておりました。GA文庫ほんと進行早くてゴイスーだと思います。早いといえば明月さん、第1回GA文庫大賞の作家さんなんですよねえ……時間の流れ早い。

カリスマ的美少女にして後輩お嬢様・白雪、見た目は小学生だけどお胸は巨乳の先輩幼なじみ・くらら、無口な天然クール同級生・
乃愛。器量と才能に恵まれた美少女三人は、主人公・隆人に恋人が出来たことで自分自身の恋心に気付かされる。そして隆人がたった一週間でフラれたことを知った三人は、隆人を恋人にするために動き始めるのだが今更素直になれず……一方、隆人は傷心のため彼女たちの遠回りな好意を見抜けず悩む日々。互いが互いに「告白させよう」とするものの、どうにもすれ違ってしまって……

告白されて1週間でフラれる男の人って……な主人公が、実は自分のことが好きだった美少女たちと恋愛駆け引きをするラブコメです。主人公の隆人、割とイケメンで気遣いもできる結構スペック高い男子。今回は美少女たちのお目見えと、告白待ち恋愛バトルなる駆け引きを楽しむ回となっていて、美少女三人娘の誰かがもうプッシュすればなんだかんだで隆人は靡いちゃうと思うんですよねえ。

隆人自身はヒロインズに好意はあるものの、その先の感情があるかというと、まあフラれたばかりだしガンガン前向きに恋愛感情を出してはいけないところもポイント。慎重な状態の隆人と、同じ待ち状態になってしまっている美少女三人娘との関係はもどかしくもある。今回は三人娘がバラバラで隆人にアプローチしていたけど、次回からは交錯していくだろうから、その辺りの駆け引きが楽しくなりそう。

「天才王子の赤字国家再生術〜そうだ、売国しよう〜」感想

天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)

〈あらすじ〉
「こんな国、さっさと売って隠居生活だ! 」
完全に詰んでる国家の運営、無茶ブリされました!
「さすが殿下! これが狙いとは! 」
「どこまでもついて参ります! 」
「殿下! 」「殿下! 」「殿下! 」「殿下! 」
『(一体どうしてこうなった!?)』
資源も人材も兵力もない弱小国家を背負うことになった若き王子ウェイン。 文武に秀で、臣下からの信頼も厚い彼にはひそかな願いがあった。
「国売ってトンズラしてえええ! 」
そう、王子の本性は悠々自適の隠居生活を目論む売国奴だったのだ! だが、大国に媚びを売ろうと外交すれば予期せず一方的に利益を手にし隣国との戦争で程よく勝とうとすれば大勝利。名声は上がるが売国は遠のき、 臣民はイケイケ状態で退くに退けない!? 天才王子による予想外だらけの弱小国家運営譚、開幕!

面白ええええええええ!!! そしてファルまろさんのイラスト、かわえええええええええ!!
そうです、正直油断してました。戦記モノ読みたいなあ、と思っていたところに「GA文庫1巻無料キャンペーン」的な企画を発見し、早速読んでみたら面白くて即購入という……もうこのパターン何度目だよ……。

これといった売りのない小国の王太子・ウェイン少年が主人公。紳士で人当たりの良く頭も切れる優秀な王子様は表の顔。実はいずれ滅びゆくだろう祖国をどう高値で売り払おうか算段している。そんな裏の顔を知っているウェインの補佐官(美少女)ニニムと共に、お国を「穏やかに」高値で売れるよう行動を開始するのだが……。

なんかこー戦記モノの主人公って「表の顔はダメダメ(評価が低い)だけど、裏では実は優秀」みたいな、そんな低評価をひっくり返して楽しむ感じがあるのだけど。ウェインは周囲の評価が高く、裏の言動はともかく実際に滅茶苦茶優秀な王子様です。素晴らしい先読みを発揮して、波風をあまり立てないようにほどほどの勝利を望むにも関わらず、勝ちすぎてある意味で本人の目論見が外れていく。このパターンの連続が実に笑えて楽しい。周囲の評価が既に高いだけに評価を下げる手を打つことが難しいポジション=王子というのも面白い。

あまりにも先が読めすぎて相手を過大評価?してしまうところのあるウェインをサポートするニニムはニニムなりに売国を望む王子を慕っており、影でデレデレなのがまた可愛い。ウェインの方もニニムを想っているのだけど、その想い方に危うさもある。まあその辺り、この二人の過去の話に繋がってそうでそれはそれで楽しもである。こりゃあ続きも楽しそうですな!(散財)

「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?4 神罰の獣」感想

なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?4 神罰の獣 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
英雄シドの剣と武技を継承し「真の世界を取り戻す」決意をした少年カイ。聖霊族の英雄・六元鏡光との共闘で謎の怪物・切除器官を撃破。こうして世界輪廻を招いた元凶は、最後の四英雄・幻獣族のラースイーエに絞られた。一方で、順調すぎる世界の解放に戸惑いを覚えながらも、ジャンヌは幻獣族の支配するシュルツ連邦への進出を決意する。切除器官を従えて暗躍を続けるラースイーエ、存在が明かされた二人の“シド”―「この世界の秘密を知る者たち」とカイたちが邂逅を果たすとき、五種族大戦の影に潜んでいた「真の支配者」が目を覚ます―

やったー!鏡光が仲間になったよ!……ってどんだけ異種族仲間に加えるのよ。バルムンクと鏡光のコンビは、それまでの因縁考えると笑えますね。しかし幻獣族ひとつの方が他種族連合を上回る感じ好き。まさに強敵。

この世界には3人の預言者がいてそれぞれ支援している者「シド」がいるようで。それに第六の種族が登場、機械の獣とは……おっと「ホライズン・ゼロ・ドーン」の話はそこまでにしておけ。話がどんどん膨らんでいって着地点は見えないけど、ちゃんと着地してくれるんだろうなあという安心感のもっとサクサク読んでいきたい。

「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?3 神々の道」感想

なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?3 神々の道 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
世界は人類が五種族大戦に敗れた歴史へと「上書き」された―英雄シドの剣と武技を継承し「真の世界を取り戻す」決意をした少年カイは、何者かの影響で豹変した蛮神族の英雄・主天アルフレイヤを撃破。イオ連邦の地にひと時の休戦をもたらす。聖霊族が支配するユールン連邦への案内役として、エルフの巫女レーレーンを加えた一行。だが、凶暴化した巨大なベヒーモスの襲撃で事態は急変。導かれるようにオルビア預言神の祠へと辿り着く。「あなたたちに世界の運命を託したい。この世界は『偽り』です」。ジャンヌに救世主となるよう求める預言神。だが、カイはこの世界での出来事から神の言葉に疑問を抱いていた―大注目のファンタジー超大作、第3弾!

やったー!レーレーンがパーティーに加わったぞ!最初の悪魔族の印象が凶悪・絶望的だったから人間以外の仲間が増えると思わなかった。

今回の相手は聖霊族という基本本能に従って動いている種族が敵、かと思いきや、本質的な敵は別にいるという話でした。聖霊族の六元鏡光はスライムだけど見た目は可愛い女の子だし、英雄級とは一体……。

ラースイーエと世界を改編している何物か、がカイたちが破る敵ではあるけど、そもそもの「シド」自体が何だかキナ臭い感じもする。何人いるんだよ、シドは。FFかよ!(笑)

「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?2 堕天の翼」感想

なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?2 堕天の翼 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
世界は人類が五種族大戦に敗れた歴史へと「上書き」された。強大な異種族に支配された地上でただ一人、人間が勝利した世界を知る少年カイは、全ての人間から忘れられた存在になりながらも、英雄シドの剣と武技を継承し「真の世界を取り戻す」ことを決意する。運命の少女リンネと共に悪魔の英雄ヴァネッサをうち破り、人類を悪魔族から解放することに成功。さらに霊光の騎士ジャンヌと共に、蛮神族の領土イオ連邦へ。天使やエルフ、ドワーフたちの支配地でカイが見たものは、蛮神族の英雄・主天アルフレイヤの豹変だった。「主天様は…変わってしまわれた。すべてはあの時から…」早くも大ヒット!圧倒的反響を巻き起こすファンタジー超大作、第2弾!

安心感というか安定感というか。物語を読んでいて不安がない。

今回の相手は「蛮神族」ということで、亜人種系統の敵ですが全然敵感ない。むしろ人間の方が厄介な話であった。
蛮神族の中にも種族がいて、天使、というか天使の英雄のご乱心から内輪揉め。そこにカイたちが協力する流れの中で、特にエルフたちと交流を深める。
悪魔族が邪悪だっただけに今回の蛮神族が優しく見える不思議。エルフの巫女のレーレーンは良いキャラなのでこのまま継続参戦をお願いしたい。
全種族の共通の敵は別にいそうだけど。今のところの刊行点数見るに英雄倒して終わりじゃない、先があるんだろうな。