飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「アリス×アカデミィ 彼女のついたウソ」「ありす×ユニバース キャプテンはJK」感想

アリス×アカデミィ ?彼女のついたウソ? (GA文庫)

アリス×アカデミィ ?彼女のついたウソ? (GA文庫)


ありす×ユニバース ?キャプテンはJK? (GA文庫)

ありす×ユニバース ?キャプテンはJK? (GA文庫)


二つの世界。二人のアリス・ありす。
現代のありすと並行世界のアリスが入れ替わったことから始まる二つの物語。

『アリス×アカデミィ 彼女のついたウソ』
高校生・的井歩吹は通学中に倒れ込んでいる少女を見つける。その少女は歩吹が通う聖マチルディス学園の理事長の娘・西園寺ありす…にしか見えないのだが、起き上がった彼女はアリス・サイオンジを名乗り、更には宇宙海賊の船長であると電波発言を連発する。アリスが言うには歩吹はその宇宙船のクルーであるらしい。デタラメな内容ではあるものの、歩吹の「嘘をついた数を見る力」によってアリスは今まで1回も嘘をついたことがないと分かり一層戸惑いを増す。が、そんなことはお構いなしに、アリスは歩吹を巻き込んで宇宙船に戻る手段を探し始める。
『ありす×ユニバース キャプテンはJK』
聖マチルディス学理事長の娘・西園寺ありすは謎の宇宙船に攫われ、目を覚ますとそこにいたのは同級生の的井歩吹そっくりの少年がいた。フブキと名乗る冷めた態度の少年はありすを攫った宇宙海賊船『ジェラルド』のクルーであると説明し、このジェラルドは船長アリス・サイオンジの言葉がないと起動しないというのだが…ありすの言葉で動き出す。別人のはずなのに何故ジェラルドを動かせるのか?それはこの世界が、ありすの世界との並行世界であり『ありす=アリス』であるからだ。ありすと入れ替わる形で行方不明になったアリスを助けるため、彼女はジェラルドの船長としてフブキたちに同行することになる。

二つの物語を二冊に分けて出すと「どっちも買わなくていけない」「どっちから読めばいいか」という思いから手が出しにくくなるよなあ。
個人的には『アリス×アカデミィ』→『ありす×ユニバース』の順で読むのをオススメします。現代世界の『学園』を舞台にした『アリス×アカデミィ』は物語全体で何が起きているのか捉えにくい分、『ありす×ユニバース』のSF要素の強い大きな視点から見たときの「なるほど、そういうことか!」というスッキリする感覚が気持ち良い。またキャラクターも並行世界だけあって出てくるのは別人ではあるものの共通した人物。キャラクター紹介の描写に関しては『アリス×アカデミィ』の方が詳しくされているので、感情移入する面から見てもやはり『アリス×アカデミィ』から読むのが良いかな。西園寺ありすの実に女主人公らしい性格が気に入っているのもあって僕は『ありす×ユニバース』の方が好き。二つの物語を読んで、最後に明かされる『真犯人』がちと怖い。和やかな面をあれだけ見てしまったので。