飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「from Y to Y」感想

from Y to Y

〈あらすじ〉
音楽好きの高校生ユウカ。神社でギターを練習する青年・ヨウと出会った彼女の世界は大きく変わりはじめて…。
小さな田舎町、星蔭町で育った3人の幼なじみ——ユウカ、ミサキ、ショウタの物語がジミーサムPの楽曲に乗ってめぐりはじめる。
ジミーサムP書き下ろし新曲収録のCD付きで堂々発売!!

動画再生数180万超???…ごめんなさい、帯の文句がサッパリ分かりません。最近良く見るようになった「ボカロ小説」ですが、一体どういう意味なのか…歌(歌詞)を原作にした小説…と、いうことなのかな。ボカロどころかそもそも音楽全般にあまり興味がないものでして…ほんとごめんなさいです。

正直に言うと、三上康明さんが書いていなければ手に取らなかったということです。なので歌=原作のことは無視をするカタチでの感想になりますのでご容赦を。なんかさっきから謝ってばっかりだ。

音楽が好きなユウカ、走ることが好きなミサキ、これといった夢も好きなこともないショウタ。どこにでもいる少年少女。幼なじみであり、高校の同級生でもある三人は、特徴のない田舎町での生活に鬱屈としたモノを感じながら日々を送っていた。これは三人の少年少女の運命が変わるその瞬間を切り取り、青春の輝きを編み上げた連作短編小説である。

何もない田舎町の、何でもない高校生たち。ある少女は恋をして、ある少女は家族と和解をして、ある少年はやりたいこを見つけて…それぞれの運命を変えていく。

大きな盛り上がりはないものの、三人の少年少女の生きる道が切り替わる刹那を…「これこそが青春だ!」と言える甘酸っぱい光景を目撃することになる。この物語のもとになった歌を聞けば、あるいはその歌に対する想いがあれば、もっと違った感覚やもっと突っ込んだ感情を掘り起こさせるのかもしれないけど、この作品しか知らない僕には青春小説を読んだ以上の感情が宿らなかったのは残念だった。それでも十分青春を楽しめる物語でした。