飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「誰が為にケモノは生きたいといった」感想

誰が為にケモノは生きたいといった (ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
「目のやり場に困ってるんだよ。それとも誘ってるのか?」上官殺しの罪で現世には二度と戻れないという絶対流刑の地『棄界』に送られた魔術猟兵のイオリ・ウィンウッドは、湖で溺れかけていたところを少女に救われる。獣の耳と尻尾を生やし身の丈ほどの大剣を持つ全裸の少女はタビタと名乗り、匂いを嗅いだりとイオリに興味津々で…。そして父親の仇であるイオリを殺すため自ら『棄界』に来た女騎士ユーフェミアも巻き込んで、タビタの地竜狩りを手伝うことになるのだが…。「イオリが行く所、私、行く」生きなければいけない呪いを背負った少年と、ケモノの少女が紡ぐサバイバルファンタジー!

感想ブログよ、私は帰ってきたッ!
はい。前回の更新からだいぶ空きました。でもまだ1ヶ月は経過していないのでセフセフ。全てが「モンスターハンター・ワールド」がいけないのです。発売から3ヶ月が経とうとしていますが、アクション性が癖になるので未だに飽きずにやってます。我が愛する大剣、真溜め斬りが気持ち良くて堪らんです。ちなみに本作のヒロインの武器は大剣です。(無理矢理繋げる)

堕とされたら二度と戻ってはこれない流刑地、棄界。仲間を殺した罪で棄界に墜とされた魔術猟兵の青年・イオリ。直後、巨大な化物に襲われたところを棄界の民……棄界人の少女・タビタに救われる。人とは少し違う容貌しているタビタは、髪の一部を大きな剣に変えて戦っていた。そんなタビタに気に入られたイオリだが、彼はこの棄界の何処かにいるであろう「ある人物」を捜す密命を帯びていて……。

ニリツ神のイラスト美しい。
もう読み始めてすぐに分かる榊一郎節というか。もう書いてるの間違いなく榊さんだよね、な作品でした。安心感というか、物語に道筋が立っているから読みやすい。反面、意外性がないのは良いのか悪いのか。

本来であれば戻ってこれない流刑地だけど、過去に落とされた王族を捜し出せば元の世界に戻してやる。そんなミッションを帯びたイオリ青年の物語であるが、危険な流刑地であるにも関わらず、どこか緊張感に欠けるのはイオリが手練れだからか。それともまあ始まったばかりの1巻であるからか。イオリが殺したらしい上官の娘・ユーフェミアは「父の仇!」と言いながらもイオリの背中を追いかけて棄界まで追いかけてくるデレっぷり。天然ケモノ娘のタビタは健気で可愛いし、イオリはもうずっと棄界にいてもいいんじゃね?、と思うレベル。

流刑地での荒くれ者とのバトルと陰謀もサクッと解決して一冊に収めてる安心仕様はやはり流石だった。この後の盛り上がりに期待。