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飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「おねえちゃん再起動!」感想

おねえちゃん再起動! (一迅社文庫)

〈あらすじ〉
亡くなったじーちゃんの家にやってきた絢斗は、怪しい地下室でカプセルの中で眠る少女を発見する。その姿は、大好きだった双子の姉妹、おしとやかでやさしい姉の雪音だった。だが、雪音はもうとっくにこの世にいないはずで――。困惑する絢斗に、突然じーちゃんからのメッセージが流れる。誕生日のプレゼントって……まさかのおねえちゃん!? 姉萌えラブコメついに再起動(リブート)!

誰だよこんな可愛い表紙を描く人は、と思ったらいわさき先生だった。
かなーり露骨な導入はともかく、この作品の題材は『姉』です。主人公の兄弟といったら『妹』が常識の昨今。そんな風潮に対し、断固反対していきたい。時に厳しく、時に優しく。包容力のある『姉』こそが至高。僕にもお姉ちゃんがいれば、こんな風にはならなかったのに…(遠い目)
そんな弟くんたちに捧げる…これはお姉ちゃんの物語である。

優しいお姉ちゃんと、勝気なお姉ちゃん。雪音と朱音。大好きな双子の姉に囲まれ、幸せ一杯の幼少期を送っていた絢斗であったが、その最愛の姉たちを同時に亡くし、哀しみに暮れる。10年が経ち、高校にもろくに行かない陰気な日々を過ごしていた絢斗はある日、亡くなったばかりの祖父の遺品を整理するため、姉たちと共に過ごした家に行く。その家の地下で絢斗は、『天才学者』だったらしい祖父が遺したモノを見つける。姉。10年前に亡くなったはずの雪音ソックリの女性が現れ、雪音の記憶を持ち、雪音と同じ口調で弟の絢斗に語りかける。そして雪音だけではなく、朱音も現れ、絢斗の心を揺らすのだが、二人の姉にはとんでもない秘密があった。

亡くなったはずの、大好きだった姉が高校生当時の姿のまま、弟の前に現れた。
嬉しさ同時に不安もあり、二人の姉の「秘密」に触れることになるのだが、絢斗の楽しい日々はそんな「秘密」ごときでは崩壊しない。再び戻ってきた姉たちとの日々大切にしようとする。
性格が正反対の雪音と朱音であるが、弟を想う気持ちは同じように温かく、だからこそ「秘密」を持ってでも絢斗の前に戻りたかったのだろう。正常とはとても言えない状況であるあるけれど、姉たちと弟の間にある絆は本物だ。コメディタッチで、時にはお約束のようなエッチなシーンも描きながら、物語は進行していく。

絆に偽りはない。しかしこの不可思議な関係を知った第三者が見た場合、やはり歪んでいるように見えてしまうのは仕方のないこと。その相手が好意を抱いている…とあっては余計に。それでも刃となって心を傷つけようとする言葉から姉を守り抜く弟くんの姿は頼もしかった。この物語の「お姉ちゃん」は徹底して「お姉ちゃん」なんだよなあ。弟くんに興味を持つ女性に対して厳しい目を向けながらも寛容だ。

しかし最初の冗談に戻る訳ではないが、こんなお姉ちゃんに挟まれて成長したのならば、もっと人に優しく出来る「できた」弟になれたと思うのに…人生ハードモード過ぎますわ。