飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

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「神喰のエクスマキナ」感想

神喰のエクスマキナ (富士見ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
“神喰”という怪物に蝕まれる世界に呼ばれた斎賀諌斗。「待たせたな! 勇者の登場だ!!」――だが、神喰に対抗できる騎士になれるのは女性だけ!?女性だらけの騎士団を舞台に奮闘を描く異世界召喚ファンタジー!

バカがつくほど真っ直ぐで熱い主人公、僕は大好きです。この物語の主人公・諌斗は理屈で考えるとおかしいなことばかりで気になる点も多いとは思うが、それを気にさせない力強さがある。ヒロインの可愛さ、バトル展開の読みやすさもあり、オススメできるライトファンタジー作品だ。

人類の敵『神喰』によって世界は荒れ果てていた。そんな世界に自分からやってきたのは高校生の諌斗。勇者になるため、魔王を倒すため、幼少期から修行を積み異世界に渡る術を見つけたと無茶苦茶なことを言う諌斗を取り押さえたのは、『神喰』に対抗する武装『鎧霊装』を使うことのできる女性騎士団だった。女性にしか扱えない『鎧霊装』を使用する男性でありながら素質を持つ諌斗は、世界を守るため、女性騎士たちのため、『神喰』と戦う決意を口にするのだが、誇り高い女性騎士団たちは「男には力を借りない」と反発される。ただひとり、諌斗の世話役を任された女性騎士・ルナティを除いて……。

「異世界召喚モノ」とあらすじにはあるものの、呼ばれた訳でも不可抗力でもなく「勇者になりたい」がために魔王のいる異世界に行きたいと望み、それを実行してしまう主人公・諌斗の呆れるほど真っ直ぐな行動に笑うしかない。しかもその世界には魔王は居らず、変わりに化け物である『神喰』が跋扈する、女性中心の社会だった。男も勇者様もお呼びでない。特に『神喰』を討伐するために己の肉体をも改造した女性騎士達にとって、諌斗の口にする「男性は女性を守るものだ」という言葉は、彼女たちの誇りを傷つけるもの以外の何物でもない。

そんな中、諌斗の面倒を見るという厄介な仕事を押し付けられたルナティは、気品に満ちた容貌とは違い、おかしな言動を繰り返す諌斗と激しいツッコミを入れる夫婦漫才を展開。奇妙なほど息のあった二人の会話は実に楽しいものだが、一方でトラブルを引き起こす問題でもあるのは劇中で描かれて行く。

冷めた視線を送る周囲とは違い、諌斗との距離を楽しむルナティは次第に彼に惹かれ出す。しかし諌斗の心意気が周囲に伝わり、また秘めた実力が伝わると周囲の目も変わって好意的になる中で『正妻』の座を無意識の内に守ろうと奔走するルナティの可愛さといったらないね。縮まる二人の絆が、どんな奇跡を呼び込むのか。シリーズ想定されているようで、今後の展開も実に楽しみ。