飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「回復術士のやり直し ~即死魔法とスキルコピーの超越ヒール~」感想

回復術士のやり直し ~即死魔法とスキルコピーの超越ヒール~ (角川スニーカー文庫)

〈あらすじ〉
二度目の人生、最強回復《ヒール》ですべてを掴む――Hな復讐劇が始まる!
「こんな使えないのが仲間だと思うと虫唾がはしりますわね。」
回復術士は一人で戦えない。そんな無力な存在だからこそ勇者や魔術師に利用され、奪われ続けた少年・ケヤル。
しかし彼はある日、回復《ヒール》を極めた先にあるものに気付き、世界そのものを再構築し四年前からやり直すことを決意する。
「これで世界は俺の思い通りになる……、さぁ、復讐《パーティ》のはじまりだ!」
二度目の人生、無敵の回復《ヒール》で全てを掴む――。歪んだ英雄の快進撃が今、はじまる!

ブックウォーカー読み放題で読んでみました。結構前から気になっていた作品で、表紙を見た時に「ふーん、エッチじゃん」と思っていました。シリーズ点数意外と発売されているなあ、なので追いかけるの大変そう(汗)

読み始めて感じたのはいやひでえ話だな、と。主人公の待遇もそうだけど、その後の復讐のやり方も酷い。ただ酷い=面白くない、という訳では全然なくて、この酷い話がどういう方向に進んでいるのか大いに気になる。エッチどころじゃないヒロインに対する行いを含め、この物語に賛否あるのは理解できる。自分はこの酷い物語を楽しる側。

正義も何もない、自らの欲求を満たすために突き進む主人公が、どうやって一国を相手に戦い抜くのか。今のところは主人公が出し抜いているけど、こやつを出し抜く相手が出てもいいな。とりあえず主人公に対する愛は個人的にはないので彼が酷い目に遭ってもそれはそれで楽しめそう。

「数字で救う! 弱小国家 2 電卓で友だちを作る方法を求めよ。ただし最強の騎兵隊が迫っているものとする。」感想

数字で救う! 弱小国家 2 電卓で友だちを作る方法を求めよ。ただし最強の騎兵隊が迫っているものとする。 (電撃文庫)

〈あらすじ〉
異世界の数学オタク・ナオキの活躍で辛くも戦争を乗り切ったものの、戦後賠償で財政が火の車なソアラ王女率いる弱小国家ファヴェール。財政再建のためナオキとソアラが出した結論は、隣接するモスコヴィア帝国に遠征していた自軍の規模縮小と撤退だった。しかし遠征軍総司令のソアラの従兄妹、ライアスは気さくなイケメンながらも彼なりの帝王学を持つ難物。コミュ障のソアラとナオキは、果たして彼を説得できるのか!?
そして新たにナオキが雇うことになった女性助手(美人)が、ソアラから目のハイライトを奪っていく!
「首だけのナオキさんなら浮気しませんね!」
危険な発言も飛び出す波乱の第2巻!

ブックウォーカーの読み放題プランに加入しました。読みたい新刊・新作が直近でないとブログを更新するネタも無くなってしまうし、そう読みたくない作品を無理して買うのもなんか違うなー、と思って登録したのだけど。読んでみたいの結構あって迷うねえ。

そんな中、読み放題終了近い作品から読んだ方が良いという「なるほど」な提案を頂き、がさごそ。1巻を読んでストップしてた本作に行き当たりました。

すうすく、こと数字で国家を救っていく本作。今回もナオキとソアラ王女にしか分からない、しかし明確な答えを示してくれる数字を武器に立ち向かっていきます。まあこう文明も発達しきっていないファンタジー世界で、完全なる論理的な思考をして勝利を目指すって理解して貰うの難しいよねえ。根性論が先に出る。それでも少しずつ理解してくれる仲間が出てきてくれるのは心強い。しかしナオキもソアラも数字が大事なのは分かるけど、立場もあるし、もっと人と交流をもって接した方が良いね。(笑)

「異世界蹂躙 ―淫靡な洞窟のその奥で―」感想

異世界蹂躙 ―淫靡な洞窟のその奥で― (ダッシュエックス文庫)

〈あらすじ〉
異世界から召喚された『勇者』によって、『魔王』が倒され十数年が経とうとしている。 『異世界の勇者が救った世界』──エウシュアレ。魔物が消え、平和が訪れた世界の片隅で、一匹の闇スライムがこの世に生を享けた。 その名は『ブラックウーズ』。 魔王がいた時代なら珍しくもない、犬や家畜にも劣るほどの小さな魔物だった。 しかし、ブラックウーズが"ある獲物"を体内に吸収したことによって運命が狂い始める。 それは――『人間』。 彼が一人の老人を吸収して手に入れたのは『性』の知識だった。 この突然変異によってエウシュアレの平穏が崩れ去る中、ブラックウーズに反旗を翻したのは、天才魔道士のフレデリカ、奴隷のサティア、王国に属するエルフの女騎士フィアーナ。 彼女たちは無事生還できるのか。そして人類は彼の触手に絡め取られる前に、この戦争に打ち勝つことができるのか。 闇スライムが欲望の限りを尽くす! 無慈悲に蹂躙される異世界を描いたダークファンタジー!

おかしい。ダッシュエックス文庫の新刊を読んでいたと思ったら美○女文庫だった。何を言っているか分からねえと思うが以下略、と思ってしまうほどエロかった。いや、単純にエロかった、という感想だけではなかったのだけど、想像以上にエロかったんです。

本作、そもそもオシリス文庫(?)の方で発売されていた作品らしいですね。無知なので全然知らなかった。あらすじにダークファンタジー、とあったので「このエロ可愛い表紙イラストでダークファンタジーとは?」と疑っていたのだけど、ここに関しては確かにダークファンタジーでした。

魔王がいなくなり魔物が減りつつある世界で。本来ならば雑魚的のスライムが人を喰らったことで性欲=繁殖の機能を手に入れ、冒険者や騎士を襲い、男は食し女は犯して繁殖に利用する、という結構エグい話です。そして情け容赦がなく、ヒロインのピンチに颯爽と助け出すヒーローもいないので、力を拡大していくスライムに対して結構な絶望感・恐怖感があります。なので想像しているよりも美少女たちが酷い目に遭うのでその辺は覚悟して読んでください。

あと他レーベルで出ていたためか、結構良いところで終わります。これで続きが出なかったらそれはそれで酷い感じの終わり方。あの驚異的なスライムに勝てる? 勝てるとしたらどんな勝ち方するのか? など気になることは多すぎるので凄く評価に困る一作でした(笑)

「僕を成り上がらせようとする最強女師匠たちが育成方針を巡って修羅場」感想

僕を成り上がらせようとする最強女師匠たちが育成方針を巡って修羅場 (ガガガ文庫 あ 11-20)

〈あらすじ〉
あるところに、世界最強クラスと称される三人の女傑がおりました。 しかしそんな三人にも手に入らないモノがありました。 それは――男。 しかしあるとき、そんな彼女らに天啓が舞い降ります。
「好みの男がいないなら、自分で育てりゃいいじゃない!」
そして三人はとある事件をきっかけに、クロスという才能の欠片もない少年に目をとめることになったのです。その世界に数人しか存在しないと言われるS級冒険者。 《龍神族》の《崩壊級万能戦士》――リオーネ・バーンエッジ 《ハイエルフ》の《災害級魔導師》――リュドミラ・ヘィルストーム《最上位吸血族》の《終末級邪法聖職者》――テロメア・クレイブラッドの三人はクロスを最強の男に仕立てあげ、そして自分の伴侶にしようと目論みます。 でも、クロスはひとり。 三人は三者三様にクロスを育成しながら、ひそかに抜け駆けをすることを目論んでいるのです。 でもクロスはそんなことも知らず、次第に力をつけていく日々に喜んでいるのでした……。 これは、最弱の少年が最強の師匠たちと共に最強へと駆け上がっていく物語。 そして、最強女師匠たちのお婿さん育成計画のお話――。

久しぶりに赤城さんの作品を読んだのですが、正直またヘンタイさんが出てくるのかと思っていたら違って驚いた。でもキチンとしたファンタジーやってたのでこれはこれでありですね。

電子書籍で購入したため、帯のことを知らなかったのだけれども、「ダンまち」の作者さんのコメントが載っていたのね。いや、そこからコメント貰ったらもう変な意味のツッコミができない(笑)影響受けたとあとがきに書いちゃうんかい、と思わずツッコミ入れた。

冒険者の才能なし、の烙印を押されたへっぽこ主人公(ショタ)を立派な男に育て上げて、ゆくゆくは自分の恋人にしようと企む三人のS級冒険者の美女(お姉さん)たち。最初はおねショタを期待して読んでいた(欲望がストレート)のだけれども、逆境を跳ね返そうと努力するショタくんことクロス少年を応援している自分がいました。クロス少年の成長速度がサクサク進んだのはストレスなくて読みやすくて良かったなあ。

この成長速度だとそのうちお姉さんたちを追い抜くのでは。まあそれが目的なんだけど、そうしたらそうしたでお姉さんたちで揉めそう。ただクロス少年の本名は勇者様(♀)なんだなあ。

「辺境都市の育成者 始まりの雷姫」感想

辺境都市の育成者 始まりの雷姫 (ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
最強の育成者のもとには今日も最強が集う――!
冒険者として伸び悩んでいる少女・レベッカは、辺境都市の廃教会で”育成者”と呼ばれる青年と出会う。伝説級の戦士や魔術師を育ててきた彼の指導により、彼女の秘められていた魔法の才能が開花していき――!

二連発で富士見ファンタジア文庫作品の感想を書いているのだけど、公式あらすじが要約しすぎな気が……本に書いてあるあらすじをそのまま掲載するんじゃダメなんですかね? 本作には直接関係ないことではありますが(汗)

まず持って言いたことはイラストが可愛いということです。(真顔)最近の感想、イラスト可愛いしか言ってない気がしますが、ラノベなのでそれで良いと思ってます。(真顔)

内容の方は伸び悩む冒険者の美少女と、その才能を伸ばそうとする育成者の青年(?)のお話。この作者さんの得意なジャンルなのか、もう一作の「公女殿下の家庭教師」と似たようなライトファンタジーですね。

感じたのは二作品の差別化を図るのちと難しいなということ。これが違う時期に発売しているのならそこまで思わなかったのだけど、主人公の置かれている状況(家庭教師、育成者)と馴染みやすいファンタジー世界という共通項が大きいだけにどちらかを読めば個人的には満足してしまう感じ。中身も読みやすいだけに差別化を明確に出せていないのはモッタイナイ。家庭教師の方を読んでなかったらもっと楽しく読めた気もします(汗)

「オーク英雄物語 忖度列伝」感想

オーク英雄物語 忖度列伝 (ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
オークの英雄は『大切なもの(童貞)』を捨てる旅に出る――
十二の種族による大きな戦争で、多大なる戦果を挙げ『英雄』の称号を得たバッシュ。全オークから尊敬されるバッシュは旅に出る。種族の誇りと名誉のため、そして誰にも言えなかった秘密『童貞』を捨てるために……。

最初にこの作品の宣伝を見かけた時「主人公オークかあ……なんか微妙な感じだな」と人種差別(?)をしてしまった自分ですが、あらすじを読んで一転興味が湧いて予約。早速読んでみましたところ。

滅茶苦茶面白ええええええ!!!

サクサクと読み終えて早く続きが読みたくなりました。次巻発売日が冬、がっくし。こんなに発売日が待ち遠しい作品はそうそう出会えないので感動したレベル。私は「なろう小説」WEBは読んだことないので無知で申し訳ないのだけど、作者さんは有名な方だったんですね。そうと知らずに読んで面白かったので他シリーズにも興味湧きました。

さて感想です。
オークといったら姫騎士レイプ、という印象がある種族ですが。この世界でもオークはそんな存在です。主人公のバッシュは12の種族が争った大戦で活躍してオークの英雄となった凄腕の剣士。戦争終結後、地位も名誉もあるバッシュはただ一つ、手に入らなかったモノを探す旅に出ます。

バッシュが求めるもの、それは自分の子供を産んでくれる女性……妻を探すこと。ちなみにバッシュくんは戦争の際も女性を犯すことがなかった童貞で、英雄と尊敬される自分が実は童貞だとバレるのを恐れての「脱童貞」の旅だったのです。

こう書くとびっくりするほどカッコ悪いです。しかし紳士なバッシュの振る舞いはまさに英雄のそれで憧れるほどカッコイイ。その描き方が実に丁寧でこの1巻をかけてバッシュの人となり(オークとなり?)が分かり、彼に好感を抱く読者も多いと思う。まさに男の中の男(童貞)。

そんな英雄が何かを求めて旅をしているのだから、まあ周囲の人たちは崇高な目的に違いないと忖度してくてます。その忖度具合というか、ズレが笑える。今回はオーク嫌いの人間の美少女騎士にアタックしますが、その結末も良かったり。良いという点で、戦友のフェアリー・セスとの掛け合いが面白い。この会話もまたちょっと常識からズレてて楽しい。和む。

最後にこれに触れておかないといけない気がしたので。イラストの朝凪さんとこの作品がマッチしすぎてヤバい(語彙力)こんなにイラストと内容が合っている作品もそうそうないのでは。しかし大剣持ちの剣士と妖精のコンビ……ウッ……頭が割れそうだ……ッ!